朝日新聞論説人事と政治コラムの劣化—「トイレをつまらせろ」発言の波紋
朝日新聞の組織変更と論説幹部人事をめぐる動き、そして政治部幹部によるコラム表現の過激さを検証する。
安倍政権批判の文脈で用いられた挑発的表現が、新聞の品位と将来に何をもたらすのかを問う。
2019-01-11
最後は安倍政権批判を展開し、「為政者に『この道しかない』なんていわれるのはイヤだ」「だまってトイレをつまらせろ。ぼくらはみんな生きている」だって。
■「便器をつまらせろ」と記事に。
朝日新聞は「組織変更」に伴って幹部級人事を発表した。
それによれば、論説主幹だった大野雅人氏は編集委員に降格。
それと入れ替わって政治部出身の根本清樹論説委員(55歳)が、役員待遇論説主幹に就いた。
根本氏はかつて「天声人語」や日曜朝刊のコラム「政治断簡」を担当していたが、民主党政権時代、与党民主党にかなり近い立場を取っていたとされる。
また「論説主幹代理」のポストにも注目が集まった。
これまで論説副主幹には社会部出身の立野純二、経済部出身の山瀬一彦両氏がいたが、今回の人事で立野氏がその座を得た。
山瀬氏はジャーナリスト学校ディレクター兼編集担当補佐に異動となった。
事実上の左遷と見る向きもある。
立野氏の抜擢には、「テレビ朝日の報道番組で安保法制批判を繰り返したことが評価された」との声もある。
本紙連載『日本警世』の高山正之氏も指摘したが、朝日のある女性記者の記事が問題視されている。
高橋純子政治部次長の「政治断簡」(2月28日付朝刊4面)は「だまってトイレをつまらせろ」と題された。
会社で経営者がトイレットペーパーを用意しないなら新聞紙で拭いてトイレを詰まらせろ、という比喩的主張を展開。
最後は安倍政権批判へと展開し、「為政者に『この道しかない』なんていわれるのはイヤだ」と記した。
さらに「スプリング・ハズ・カム」(3月27日付)では、批判や激励が届いたことを紹介しつつ、「死刑にしろ」との声に反論。
「どんなに気に食わなかったにせよ、刑の執行という形で国家を頼むのは安易に過ぎる」と述べた。
政治部ナンバー2の立場で書かれた文章としては、議論を呼ぶ内容である。
これでは朝日新聞の将来に疑問を抱かざるを得ない。
(2016年5月号掲載)。