白い盗人――米国人を褒め日本人を貶める朝日新聞の戦後体質
2020年2月6日発信。
週刊新潮に掲載された高山正之氏の連載コラム「白い盗人」を取り上げ、山中伸弥教授のiPS細胞研究、高峰譲吉のアドレナリン、HIV発見論争、吉野彰氏のリチウムイオン電池などを通じて、米国人研究者による盗用や虚偽主張の歴史を論じる。
同時に、朝日新聞が日本人の功績を軽視し、米国人を持ち上げる戦後体質を批判する。
2020-02-06
マッカーサーは「米国人を褒め日本人を貶めろ」と朝日に命じた。
それがまだ生きているみたい。
以下は週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
今週も、彼は、戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。
白い盗人
山中伸弥教授が、ある対談で「しれっと 嘘をついて恥じない米国人」についてしみじみ語っていた。
教授のiPS細胞作りは、まず鼠の普通の細胞に特定因子を加えることで幹細胞化するのに成功した。
論文を世に発表し、目標のヒトiPSに取り組んでこれにも成功した。
世界的偉業を特許申請したら米国のベンチャー企業や大学が「ウチが先に成功した」と言い出した。
驚いて彼らの研究内容を確かめると、前に出した山中論文の「鼠」の部分を「ヒト」に置き換えただけのもろインチキ論文だった。
米国人研究者の支那人と変わらぬ振る舞いを見て教授は言葉を失った。
でもそれは教授が人を疑わない日本人ゆえの反応で、歴史を振り返れば破廉恥米国人はごまんといる。
例えば高峰譲吉が副腎髄質ホルモン、アドレナリンの抽出に成功した。
これを追ってジョンズホプキンス大のジョン・エーベルが「オレが先に成功した」という論文を出した。
人種偏見もあって、エーベルが押し切り、高峰は泥棒扱いされた。
後にエーベルの論文が検証され、真っ赤な嘘と分かった。
HIVでも同じ騒ぎがあった。
仏パスツール研究所のモンタニエがウイルスの分離に成功すると、米国立癌研のギャロが「オレが先に見つけた」と言い出した。
以後20年も揉め続けたがスウェーデンのカロリンスカ医科大が「ギャロはモンタニエの研究を盗んだ」と裁定、モンタニエにノーベル賞が与えられた。
「米学者は嘘つき」はもはや常識だが、なぜか朝日新聞科学欄はやたら米国人の味方をする。
HIV論争でもギャロの肩を持った。
IPS報道でも同じ。
山中論文を盗んだ米国の大学研究機関の方が「先んじている」とまで報じた。
実は旭化成の吉野彰さんがノーベル賞を受賞したリチウムイオン電池の報道でも朝日は[米国人は素晴らしい]を貫いた。
今回の受賞者は3人。
一番の功績は吉野さんのものだが、朝日は一貫して共同受賞者のジョン・グッドイナフの功績と褒めちぎる。
受賞後の社説でも同じトーンで「旭化成の研究所で成果を出せぬまま9年間くすぶっていた吉野さん」は「米国のグッドイナフ氏の論文に触れて電池開発の突破口を見つけた」と書く。
米国人のおかげで3人目の受賞者に成れたと言わんばかりの書き方だ。
それは大方の評価とは大きく違う。
だいたい小型で大容量で再充電が利く電池となれば「リチウム以外にないと70年代から研究されてきた」と自身も研究者のマーク・ブキャナンが先日のブルームパーグ通信にリポートしている。
で、3人目の受賞者となった米エクソン社のM・ウィッティンガムがリチウムを陰極に使った電池を作ったが、みんな燃えてしまった。
次にグッドイナフが東芝の日本人学者と共同で金属リチウムを開発した。
うまくいきそうに見えたが、安定性がなかった。
すぐ爆発した。
リチウム爆弾と呼ばれた。
吉野さんもリチウム電極を選んだが、もう一方の電極を何にするかで悩んだ。
ヒントはノーベル賞受賞者、白川英樹の開拓した導電性高分子素材だった。
試行錯誤の末にいい炭素素材を見つけた。
さらにイオンを発生するリチウムを陰極ではなく陽極に置くという逆転の発想を試みたら大成功した。
トンカチで叩いてみても爆発しなかった。
かくてスマホに入る安全で極小で大容量の電池ができた。
小さく、丈夫で、高性能と言えばディーゼルもクォーツもそうだ。
日本人のみが成し遂げてきた特技と言える。
リチウムイオン電池も同じだ。
その開発経緯を辿ると、随所に日本人の知恵が関わっている。
米国人の知恵などどこにもない。
それでも朝日は懸命に米国人をよいしょする。
マッカーサーは「米国人を褒め日本人を貶めろ」と朝日に命じた。
それがまだ生きているみたい。