仏教を追い出し、道教と儒教が生んだ世界一世俗的な中国人――「物理力」しか頼るものがない中国

2020年2月14日発信。
黄文雄氏の著作を紹介しながら、中華世界から仏教が追い出され、世俗的な道教と儒教が広まった結果、中国人が世界でもっとも世俗化した民族となっていった過程を論じる。
さらに、中国の国際秩序・国際法への反発、「中華思想」に基づく自己中心的主張、そして「法」ではなく「物理力」に頼る中国文明の本質を指摘する。

2020-02-14
こうして中華世界から仏教が追い出され、世俗的な道教が広まり、世界でもっとも世俗化した中国人が誕生していった。
以下は世界有数の中国に精通している学者である黄文雄さんの下記の著作からである。
日本国民のみならず世界中の人達が必読の書である。
前文省略。
こうして中華世界から仏教が追い出され、世俗的な道教が広まり、世界でもっとも世俗化した中国人が誕生していった。
もちろん、道教が中国に広まった背景には、儒教の存在がある。
儒教もきわめて世俗的な教えであるからだ。
儒教の始祖である孔子が「鬼神を敬してこれを遠ざく」と語った言葉に象徴されるように、中国人は心よりもモノにしか関心がない。
儒家は、もっとも唯物的な人間集団である。
だから中国では歴史上、有限な資源をめぐって生死をかけ、「戦争のない年がなかった」といわれるほど、殺し合う文化・文明が生まれたのだ。
また、それほど世俗的・唯物的な儒教、道教が広まったことが、同じ唯物論である共産主義を受け入れる背景になったとも考えられる。
一方、仏教に対しては、現在もなおチベット仏教をはじめ、中国が迫害していることは、誰もが知っていることだろう。
「物理力」しか頼るものがない中国
日本と台湾との「価値の共有」は地政学的には、海のアジアという海島・海洋独有の文化・文明から生まれた風土があり、さらには「近代化」と「自由・民主」という価値の共有もある。
近年の中国言論人の主張を拾い集めると、おもに以下の三つにまとめることができる。
①中国はすでに強くなったから、世界は中国が決める。
②国際秩序も国際法も西洋人が勝手に決めたものだから、中国人は絶対認めない。
③英語の代わりに中国語を国際語として使え。
以上三つの主張については、たいてい「中華思想」からくるもので、じつに「自己中」としか言いようがない。
近代西洋の価値体系が近現代の主流思想となり、西洋の優位を確立したのは、長い歴史の流れがあり、ただ近現代の西洋人のみ独自のものではない。
古代ギリシャからのルネッサンスもあり、イスラムの科学などの影響もあり、大航海時代以後の西洋人の冒険と進取の精神以外には、一連の科学革命から宗教、産業、市民革命などの変化・進化の努力と犠牲もある。
国際法もなかった時代から「法治社会」に至るまでには万国の努力と犠牲もあった。
市民の認知も必要不可欠だ。
安倍晋三首相はよく国際会議の場で、中国の東シナ海、南シナ海での軍事展開を念頭に「力ではなく、法に基づいて、紛争解決を」と主張するが、たしかに、力、しかも「魅力」(ソフトパワー)ではなく「物理力」以外に頼るもののない中国人にとっては、しゃくにさわるだろう。

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