習近平国賓来日をめぐる日中の神経戦――新型コロナで延期を言い出せない中国
2020年2月、新型コロナウイルス感染拡大により、4月上旬で調整されていた習近平国家主席の国賓来日が流動的となった。日中双方が延期を持ち出せない中、中国の面子、日本側の外交判断、天皇皇后両陛下との会見を含む国賓待遇をめぐる神経戦を産経新聞記事から読む。
2020-02-26
「日本から『無理なさらないでください』と言ってもらいたいはずだ」との見方を示すが、
「中国に『日本が延期を言い出した』と利用されかねない」(外務省幹部)との懸念もある。
以下は昨日の産経新聞の記事からである。
習氏訪日めぐり神経戦
日中双方、延期持ち出せず
肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大により、4月上旬で調整を進める中国の習近平国家主席の国賓としての来日日程が流動的となる中で、日中双方とも「予定通り準備を進める」との姿勢を崩していない。
自ら「延期」を持ち出したくない中国側のプライドに日本側の思惑も絡み、ぎりぎりまで互いの出方を探る「神経戦」の様相となっている。
「いくつかの準備会合などが延期になっているので、準備を加速していく必要がある」。
茂木敏充外相は21日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大で準備に影響が出ていることを認めながらも、予定に変更はないとの考えを重ねて示した。
茂木氏がドイツで15日(日本時間16日)に中国の王毅国務委員兼外相との会談で習氏訪日を「ぜひ実現したい」と意欲的で、外務省幹部は「王氏は(感染の)終息に自信も見せていた」と話す。
中国側は習氏訪日の延期を持ちかければ、感染拡大を押さえ込めないとの印象を与えかねない。
訪日は「終息宣言」の演出になり、日本側は「中国はメンツをかけて予定通りの訪日を実現しようとする」(政府関係者)とみる。
中国外交担当トップの楊潔篪共産党政治局員が今月28、29両日の訪日を予定しているのも、習氏の訪日準備だけでなく、政府高官が海外に出ることで、封じ込めにめどが立ちつつあることをアピールする狙いもありそうだ。
一方で、日本側も「延期」を提案するそぶりは見せていない。
政府関係者は「日本から『無理なさらないでください』と言ってもらいたいはずだ」との見方を示すが、
「中国に『日本が延期を言い出した』と利用されかねない」(外務省幹部)との懸念もある。
令和に入り国賓は昨年5月のトランプ米大統領に続き2人目。
天皇、皇后両陛下との会見や宮中晩餐会に招かれ「中国の国家主席にとっても晴れの舞台となる」(日本政府関係者)とされる。
日本側から両陛下と安倍晋三首相の予定を踏まえ、候補の日程を中国側に伝えているが、「まだ何も回答はきていない」(外務省幹部)状態という。
(力武崇樹)