日本は「東洋的専制諸国家群」に囲まれ、東アジアで唯一近代化に成功した「自由主義国家」である現実に目覚めなければならない。
中国のあまりにもひどい軍拡と、ところかまわず借金漬けにして領土を奪おうとする対外政策。領域観は古代そのものではないか。ウェストファリア条約による主権国家の領域観も知らんのか!2019年09月22日
だが、まだ遠慮がちで、「世界秩序の中国覇権下での再編成」という無難な言い方をしていた。と題して2018-11-04に発信した章である。
以下は今日の産経新聞の読書欄に、世界征服の野望指摘する勇気、評・古田博司(筑波大学大学院教授)と題して掲載された、「中国が支配する世界パクス・シニカヘの未来年表」湯浅博著(飛鳥新社・1389円十税)の書評からである。
文中強調は私。
評者:古田博司
管見では、これまで「中国の世界征服の野望」を指摘した人に、中国経済の小島麗逸氏、軍事史の村井友秀氏がいる。
だが、まだ遠慮がちで、「世界秩序の中国覇権下での再編成」という無難な言い方をしていた。
本書はジャーナリストの湯浅博氏がこれを一歩進めたもので、眼目は「習(習近平中国国家主席)が党大会演説(2017年、第19回中国共産党大会演説)で、中華民族はますます『世界の諸民族の中に聳え立つ』と言ったのは地域覇権の枠をはみ出し、世界に君臨するとの宣言である」と言い切ったところにある。
実は評者も言いたくて仕方がなかったのだ。
今日の中国は、地域覇権などという甘いものではなく、はっきり世界征服の野望であると。
だがそう言うには勇気だけでなく、強い説得力がいる。
「この21世紀に、まさか世界征服?時代錯誤的だ」との懐疑は誰でもが抱く。
湯浅氏も今年1月24日付の産経新聞では、まだ「19世紀の帝国主義思考のようだ」と、中国の前近代性を指摘するにとどめていた。
だが、氏はついに勇気を得たのだ。
中国のあまりにもひどい軍拡と、ところかまわず借金漬けにして領土を奪おうとする対外政策、領域観は古代そのものではないか。
ウェストファリア条約による主権国家の領域観も知らんのか!
宗主国として諸外国を冊封下に置き、華夷秩序の朝貢国にしようとするつもりかと、怒りが氏を動かした。
そう、指摘すべきは中国のみならず、北朝鮮、韓国、口シアにも共通する「封建制を経ずに近代化しようとして、失敗し回帰した古代性」なのである。
日本は「東洋的専制諸国家群」に囲まれ、東アジアで唯一近代化に成功した「自由主義国家」である現実に目覚めなければならない。
だから氏は、「自由主義国家は、特定の大国が暴力で優越的な地位を占めることを阻止し、相互に均衡した力で平和を維持しなければならない」
「いつまでもマルクスとその親戚筋の容共リベラルに縛られるような国は、ジワジワと社会の劣化が進む」と、口を酸っぱくして言うのである。