2012/2/11の京都を、サティ、ジムノペディ(辻井伸行)、ジョージ・ハリスン♬Marwa Blues♬等と共に。
2012年2月11日、再び京都を撮った――サティ「ジムノペディ」と冬の鴨川・南禅寺
2012年2月11日。
この日の京都を撮影した写真を、いま改めて見返して、私は自分自身で驚いている。
すべての写真が、ただ事ではない。
2011年5月29日、私は「生きる確率は25%」と告げられた。
それから8か月余りに及ぶ入院生活を送り、2011年12月16日、ようやく退院した。
この写真を撮影したのは、それからまだ2か月も経っていない、2012年2月11日である。
だからこれは、単なる「京都の写真集」ではない。
死のすぐそばまで行った人間が、再び自分の足で京都に立ち、自分の眼で世界を見つめて撮影した写真集なのである。
京都駅から京都の四方を眺め、鴨川へ向かい、南禅寺へ。
この日の鴨川には、渡りを前にした数種類の鴨たちが集結していた。
私にとっても初めて目にする光景だった。
そして、そこにいたダイサギ、アオサギ。
とりわけダイサギの美しさは、いま見返しても息を呑む。
冬の光、京都の空気、川面、鳥たち、寺院。
その一つ一つを、当時の私はどのような眼で見ていたのだろう。
いま振り返れば、これは私の**「末期の眼」から生まれた写真**だったのだと思う。
そして、この写真群にサティの《ジムノペディ》――辻井伸行のピアノ――が重なる。
その静謐な響きと、冬の京都、鴨川に立つダイサギとの交響は、いま聴き直しても凄い。
さらにGeorge Harrisonの《Marwa Blues》等とともに、2012年2月11日の京都が、一つの映像作品として残った。
YouTubeの「あなただけのミックスリスト」に現れ、久しぶりにこの作品を再発見した。
そして、自分の作品でありながら、ほとんど初めて見る作品のように見入ってしまった。
これは、私が生きて京都へ戻った、その最初期の記録の一つである。
72回しか視聴されていない。
しかし、これまでほとんど解説文もない状態だったことを考えれば、むしろ72回も、この作品そのものの力だけで見てもらっていたのだと思う。
YouTubeの「あなただけのミックスリスト」に現れ、私はこの作品を再発見した。
そして、自分の作品でありながら、ほとんど初めて見る作品のように見入ってしまった。
写真を撮影したのは2012年2月11日。映像作品として制作し発表したのは、それから13年近くを経た2025年の初め頃である。
それなのに、私は今、この作品をあらためて見て驚いている。
すべての写真が、ただ事ではない。
これは、死の淵から生還して間もない私が、再び京都に立ち、自分の眼で世界を見つめていた、その日の記録なのである。
そして今、私はこの作品の本当の意味を、初めて発見したような気がしている。