リスト「ピアノ協奏曲第1番」――アルゲリッチ、アバド、ロンドン交響楽団による1968年録音とともに

明日、2026年9月23日(水・祝)、大阪のザ・シンフォニーホールで、オーケストラ・アンサンブル金沢の大阪定期公演が開催される。
開場は13時、開演は14時。
指揮は広上淳一。
ピアノ独奏は黒木雪音。
演奏されるのは、
モーツァルトの交響曲第25番ト短調K.183、
リストのピアノ協奏曲第1番変ホ長調S.124、
ベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調作品67「運命」である。
その中で黒木雪音が演奏するのが、リストのピアノ協奏曲第1番変ホ長調S.124である。
フランツ・リストが長い年月をかけて完成させ、1855年にワイマールで初演した作品である。
初演ではリスト自身がピアノを弾き、エクトル・ベルリオーズが指揮を務めた。
全曲は四つの楽章から成るが、各楽章は切れ目なく演奏され、冒頭で提示される力強い主題が姿を変えながら全曲を貫いていく。
これは、複数の楽章を共通する主題によって結び付ける、リスト独自の「循環形式」を代表する作品でもある。
冒頭、オーケストラが断固とした主題を提示すると、ピアノが華麗なカデンツァで応える。
その後は、ピアノが単に技巧を披露するのではなく、オーケストラと激しく対話し、競い合い、ときには溶け合いながら音楽を発展させていく。
第2楽章では、チェロとコントラバスが静かな旋律を奏で、ピアノが夢見るような美しい歌を紡ぐ。
続く第3楽章ではトライアングルが鮮やかに活躍するため、当時の批評家から皮肉を込めて「トライアングル協奏曲」と呼ばれたこともあった。
しかし、このトライアングルの響きは単なる装飾ではなく、軽快で幻想的な色彩を作品にもたらしている。
終楽章では、それまでに現れた主題が次々と回帰し、ピアノの超絶技巧とオーケストラの力強い響きが一体となって、華麗で壮大な結末へ突き進む。
演奏時間は約19分。
リストがピアノという楽器に託した華麗さ、詩情、劇性、そして圧倒的な技巧が、凝縮された作品である。
明日は、この名曲を黒木雪音がどのように奏で、広上淳一指揮オーケストラ・アンサンブル金沢がどのように応えるのか、大いに楽しみである。
本章の末尾には、マルタ・アルゲリッチのピアノ、クラウディオ・アバド指揮、ロンドン交響楽団による1968年録音を、YouTubeから紹介する。
アルゲリッチの閃光のような技巧とほとばしる生命力、アバドの明晰で緊張感に満ちた指揮、そしてロンドン交響楽団の鮮烈な響きが一体となった、今日まで聴き継がれている名演である。
明日の演奏を前に、この作品が持つ比類のない魅力を味わっていただきたい。


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