河井継之助と方谷先生 ― ネットが伝える本質

NHK大河ドラマでは伝わらない歴史の本質を、ネット上の無償の労作が鮮明に伝える。河井継之助と方谷の師弟関係、幕末における先見的な思想、そして人と人の交わりの尊さを描く感動的な記録。

著者が偶然見つけたウェブサイトを通して、幕末の指導者、河井継之助の驚くべき先見性と、師・山田方谷との深い師弟愛を再認識する。テレビの大河ドラマでは伝えきれない、歴史の真実や本質が、個人のウェブサイトによって深く伝わることに感動し、インターネットを「人類史上最大、最高の図書館」と称賛する。継之助が8年先の時勢を正確に予言し、藩の進路を説いたこと、そして方谷との別れの情景が描かれた名文を紹介し、歴史の重みと人としての生き方を問いかける。


2011/2/2
今、思うところが有って、http://www.geocities.jp/ryoma21jp/newpage53.htm を読んでいるのです。

例えば、NHKで大河ドラマと称して1年間もかけて、このような時代や、人物の事を放映したとしましょう…
私は当然ながら、全く観ませんが…
それで本当に、そこにあった事実や真実、背景等が、認識されるでしょうか?

知ったつもりにはなっても、そこに在った本質は決して視聴者には伝わらないと私は断じても良い。…
一方、この無償の労作…これを書いた人は本当に偉い!…は、数時間で貴方に本質を伝えるでしょう。…
私が何度も言ってきた事…ネットは人類史上最大、最高の図書館を証明してくれている方です。…
そうでござろう、家康殿。
御意。
ちなみに、この方の労作中、河井継之助についてのページで、私は号泣した…。
…前略
それを要約すれば、まず天下の形成は、早晩大変動があるということを予言している。
それから、攘夷、攘夷と薩長はいうが、攘夷というのは愚蒙であると。
むしろ貿易立国が国の大本である、この方向を誤らないことが大切である。
外国と交際する以上、朝廷も幕府もない。
政道一新、上下一統、そして富国強兵に邁進しなければならない。
そして、外国人にも仁義の道がある。
だから、そのつもりで交わればよいのだ。
そして、今日、洋式を大幅に取り入れても、それは10年後には、決しておかしなものではなくなるだろう、と。
長岡藩については、何分にも小藩であるから、せいぜい藩の政治を固めて実力を蓄積することが大事だと。
そして、天下大変動に対しては、その進退を誤らないように今から準備しておくことだ、と述べている。

これは、戊辰の年を遡ること8年である。
すでに時勢を的確に予言している。
王政維新の8年も前に、これほどの見識を備えていたとは、高杉晋作も、坂本竜馬も、遠く及ぶところではない、といえるだろう。
…中略
いよいよ継之助が、方谷に別れを告げて、長瀬を後にしたとき、高梁川を方谷の持ち船で西岸へ渡してもらい、川に沿って松山へ向かって下っていく。
この状景は、山田準氏(方谷の後嗣)の名著「方谷先生年譜」に次のような名文で描かれている。
‥‥其ノ長瀬ヲ辞スルヤ、右全集ト一瓢酒トヲ振分ケニ肩シ、他ニ荷物ヲモ携ヘズ。
河ヲ渡リ、師・方谷ノ対岸ニ立テルヲ見テ、幾度カ沙石ノ上ニ跪坐作礼シテ去ル。
師弟の情愛とともに、人と人の交わりの尊さを思うのである。
…後略

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