キーエンス、4~6月期純利益141億円で過去最高 ― FAセンサー好調と海外展開強化
キーエンス、純利益最高…日経新聞7月30日15面より
2011年07月30日
4~6月141億円FA用センサー好調
産業用センサーを手掛けるキーエンスが29日発表した2011年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比10%増の141億円たった。
4~6月期としては過去最高を更新した。工場の生産ライン制御などに使うファクトリーオートメーション(FA)用センサーが好調だった。国内のほか、欧州やアジアなど海外向けも伸びた。売上局営業利益率も45%台と高い収益性を維持した。
営業利益率45%台に
売上高は同17%増の484億円となった。自動車や半導体、工作機械、液晶など幅広い業種で設備投資が堅調に推移し、主力のFAセンサーの販売が伸びた。
東日本大震災後の部品調達に大きな混乱はなく、生産への影響は軽微にとどまった。
特に好調だったのが海外向けだ。海外売上高は21%増の165億円。円高による目減りが響いたにもかかわらず、国内の伸び率(15%)を上回った。地域別では欧州が約37%増、北米・中南米が約19%増、アジアが約14%増となった。
海外展開の強化に向けて同社はセンサーを直販する営業人員を拡充。中国では日系メーカーだけでなく、現地企業への拡販が進んでいるという。4~6月期の海外売上高比率は前年同期に比べ1ポイント高い34%となった。
営業利益は20%増の219億円だった。売上局と営業利益も4~6月期としては過去最高。売上高営業利益率は45・3%と前年同期に比べ1ポイント上昇。
50%を超えたかつての水準には及ばないものの、工場を持たないファブレス経営をテコに、上場企業で最高水準の利益率を維持している。同社は12年3月期通期の業績予想については。
「電力需要や復興需要の行方が予測しにくい」として公表していない。下期にかけては震災の復興需要も見込んでいる。