西側先進国、別けてもドイツは愚かだった。環境を大事にすればホロコーストの償いになると信じて支那のいいカモになった。
2024年05月30日
本稿は、2024年5月30日発売の『週刊新潮』を締めくくる高山正之氏の連載コラムであり、中国が主導する「地球温暖化・脱炭素」の欺瞞と、西側先進国、とりわけドイツがその罠に落ちた過程を鋭く暴き出す。
中国が世界のCO₂の3分の1を排出し、河川を汚染し、海洋ゴミをまき散らしながら、国際社会では“環境被害者”として振る舞う構造を、著者は「環境詐欺」と断じる。
この詐欺の中心人物として、国連環境行政を握ったモーリス・ストロングと、その背後にある中国共産党との関係を指摘。排出権取引や太陽光パネルの世界市場化など、先進国から中国への巨額の資金移転を正当化する仕組みが、ストロングと中国の連携によって構築されたと論じる。
特にドイツは「環境に尽くせばホロコーストの贖罪になる」という錯覚から、メルケル政権が原発を放棄し、中国製太陽光と風力に全面依存する愚策を推進。
結果として、景観破壊と電気代高騰を招きながら、依然として中国の環境詐欺に気づかないとして批判される。
さらに中国製EVの危険性、頻発するリチウム電池火災、BYDやファーウェイEVの炎上事故、EVショールームが火災で焼失する現実が挙げられ、欧州の“脱炭素信仰”がいかに現実から乖離しているかが示される。
著者は、日本の新聞・テレビがこれらの事実を報じないのは「中国に不利なことを書きたくないからだ」と断じ、情報の隠蔽体質を強く批判している。
西側先進国、別けてもドイツは愚かだった。環境を大事にすればホロコーストの償いになると信じて支那のいいカモになった。
2024年05月30日
以下は、本日発売された週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
燃える車
支那で唯一人の知識人という林語堂は自虐を込めて「わが支那人」を「権威に従い」「黙って控える黙って控える」「賢さを持つ」と定義する。
だから暇があれば「茶を飲み、阿片を吸い、京劇を愛し、日本人を罵倒する」愛すべき民になったと。
しかし、それはかなり飾り過ぎた描き方だ。
支那人は五千年の歴史の大方を外来王朝の奴隷として過ごしてきた。
林語堂の言う特性は「奴隷根性」の一言に置き換えられる。
おまけに最も肝心な支那人の特性「嘘を吐き、人を騙す」が抜けている。
最近は時代の重みか、吐く嘘もやたら壮大になった気がする。
あの地球温暖化、温室効果ガスの嘘だ。
このまま化石燃料を燃やせばC0₂の温室効果で北極の氷は解け、異常気象で地球は滅ぶと支那人は言う。
でも、そういう環境破壊を率先してやっているのは支那人ご本人だ。
一人で世界の3分の1のC0₂を出し、河川も海も汚し捲る。
先日は上海の黄浦江を1万頭の豚の死骸で埋めていた。
そういう汚濁が海に流れ出し、簡体字の海洋ゴミは世界の海岸を汚す。
支那人がいなければ地球はきれいになるとみんな信じていた。
しかし、そこは詐欺師の国だ。
環境詐欺をはたらくに当たって、支那に対する個別非難が起きないよう手は打っていた。
支那の代理で環境汚染を告発したのは「環境のゴッドファザー」ことモーリス・ストロングだ。
彼の叔母はアンナ・ルイーズ・ストロング。
共産主義かぶれの米ジャーナリストで、スターリンの寵愛を受け、彼の死後は北京に飛んで毛沢東に愛された。
モーリスはそのつてで国連の環境問題のトップに就くと、まず支那を後進国にランクした。
さらにアル・ゴアを抱き込んで、北極がお花畑になったと語らせ、先進国がC0₂排出権を支那から買うシステムを作っていった。
次に火力発電を槍玉にあげて支那製の太陽光パネルを世界に売り出した。
西側先進国、別けてもドイツは愚かだった。
環境を大事にすればホロコーストの償いになると信じて支那のいいカモになった。
原発は問題ないのにメルケルはそれも止めて支那製の太陽光パネルと風車に置き換えていった。
景観は台無し、電気代は3倍になったが、ドイツ人は支那の詐欺にまだ気づいていない。
支那は次に車の排ガスを標的にして「支那の電気自動車(EV)が救世主だ」とモーリスに言わせた。
ドイツにはワーゲンがあるのに「EVは環境を救う」と信じ、支那製のEVを走り回らせた。
支那人はそれを見て「王八蛋(ワンバーゲン)」と笑い転げた。
だいたいEVは内燃機関も作れない後進国がオモチャの電気自動車をただ大きくしただけの代物。
ひと様を乗せて都大路を走るものではない。
それに安全性の検証もされていない。
ワーゲンも作ってみたがリチウム電池火災が治まらない。
もう2隻の車両運搬船を燃やし7000台を灰にした。
リチウム電池は火を噴くと800度の高温を発する「熱暴走」を起こす。
水をかけても消えない。
EV本家、支那でもこの手の車火災が多く、停車中なら周りが焼けるくらいだが、走行中なら乗っている人ごと燃えてしまう。
最近もファーウェイ製EVが追突事故を起こしたが、乗っていた3人が降りる間もなく燃え尽きてしまった。
日本に進出したBYDではこの1年間で4軒のEVショールームが燃えた。
当局によれば1日7台のEVが炎上していて、態様も走行中に燃えたり、充電中に出火したり、駐車中での出火も多い。
「EVは家から15㍍離して停める」が支那人の当節の常識という。
ただそういう話は日本の新聞もテレビも報じない。
環境に尽くすモノを悪く言ってはいけないと思うからか。
あるいは支那のためにならないことは書きたくないからか。

2024/5/29 in Kyoto