佐渡金山と「不要な政治介入」――端島の失態を二度と繰り返すな

佐渡金山が世界遺産に登録された一方、韓国の政治的要求に配慮して「朝鮮半島出身労働者」に関する展示を行うと日本政府が合意した点が問題視されている。強制労働の主張は史実と異なり、戦時中の展示は佐渡金山の価値(江戸期まで)とも関係がない。かつて軍艦島(端島)の世界遺産登録時に、韓国の要求がエスカレートし、ユネスコが日本へ「強い遺憾」を表明した事例を繰り返してはならない――これは産経新聞2024/7/28社説の主張である。

以下は、7/28、産経新聞の社説からである。
朝鮮出身者の展示不要だ
佐渡金山遺産登録
インドのニューデリーで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で、新潟県の「佐渡島の金山」が、世界遺産に登録されることが決まった。

佐渡金山は独自の採鉱・精錬技術で発展した貴重な鉱山遺跡だ。
江戸時代の17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。
その価値が、世界に広く認められる意義は大きい。

だが、登録決定にあたり、禍根を残すような取り決めがあった点を指摘しないわけにはいかない。
韓国の意向を受け入れる形で、戦時中の朝鮮半島出身者に関する展示を行うことにしたからだ。

韓国はこれまで、佐渡金山で朝鮮半島出身者が強制労働させられたという、事実に反する主張で登録に反発してきた。

このため日本政府は韓国と協議し、「朝鮮半島出身者を含む労働者の戦時中の過酷な労働環境」などの解説をパネル展示することで合意した。
史実を伝えるべき文化遺産に、政治が持ち込まれたということだ。

世界遺産委員会での登録決定の際、日本政府代表は「韓国と緊密に協議しながら展示戦略および施設を強化すべく引き続き努力する」とも表明した。
佐渡金山の展示に韓国を関与させるということか。
そうであるなら絶対に受け入れられない。

佐渡金山の朝鮮半島出身者は募集や徴用などによるもので、給与も支払われていた。
日本政府は令和3年に「強制労働には該当しない」との答弁書を閣議決定している。

政府関係者は今回、「日本政府の従来の立場を変えるものではない」としているが、日本が世界遺産に推薦した佐渡金山の文化的価値は江戸時代までだ。
戦時中の事柄に関する展示は、そもそも不要だろう。

平成27年に長崎市の端島(はしま)炭坑(通称・軍艦島)など「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に決まった際も、朝鮮半島出身者が強制労働させられたと不当に主張する韓国に配慮し、日本政府は情報センターの設置を決めた。

しかもその後、展示内容が不十分とする韓国の要請に基づき、ユネスコが日本に対し「強い遺憾」を決議表明する事態になった。

この失態を、繰り返してはならない。

2024/7/30 in Onomichi

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