【京都・嵐山の奇跡】常寂光寺の光が語る“静かなる激情”――ラフマニノフ《ピアノ協奏曲第2番》とともに

2025年の嵐山は、久しぶりに“本来の京都”と呼べる静けさを取り戻した。
その中心にあったのが常寂光寺である。

山頂からの下り道、ふいに太陽が雲を破り、
境内全体を柔らかな黄金の光が包んだあの瞬間。
私は、長い撮影人生の中で味わったことのない、
深い感動の波に満たされた。

この光景は、まさにラフマニノフ《ピアノ協奏曲第2番》の精神世界と重なる。
陰影の美しさ、静かな情熱、そして抑えきれない高まり。
カラヤン指揮、ワイセンベルク独奏の名演が持つ重厚な叙情と、
常寂光寺に満ちた秋の光は、互いの存在を高め合うかのようだった。

この秋の嵐山は、私にとって一つの“到達点”と呼べる記録である。

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