常寂光寺・光の深まり──ラフマニノフ《パガニーニ狂詩曲》と響き合う“秋の到達点”
2025年11月21日。
常寂光寺の紅葉は、静けさと光が何層にも重なり合い、
まるで“光の変奏”のような美しさを放っていた。
山門へ続く坂道、苔むした石段、
そして紅葉が風に揺れるたびに変わる色の深さ──
そのすべてが、今日の光によって特別な輝きを得ていた。
この光景と最も強く共鳴した音楽が、
アシュケナージ × ハイティンク × フィルハーモニア管による
《ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲》 である。
軽やかな変奏から深い静寂への移ろい、
影と光が交差する構築美、
そして第18変奏の、胸が静かに満たされるような幸福感。
常寂光寺に満ちていた秋の光は、この音楽と見事なまでに共鳴した。
今日の撮影は、私の撮影史における「ひとつの到達点」である。
この光と静けさを、世界に届けたい。