若い親友であるO君へ。
芥川が、身近に知っていた若者がいる…W大卒の優秀な若者。
現代の若者に相応しく、見事な早さのブラインドタッチで、物事を処理して行く。
U-tubeが、こんなに見事なものだと言う事を教えてくれたのも君だった。
TVは、憂さ晴らしに、お笑い番組だけをみるものじゃないか、と君は言った。
留学中もU-tubeで、或るお笑い番組は欠かさず見ていたと。
TVなんて、それだけのものだと君は思って、何の関心も持たず放っていたと思う。
君以外の、優秀な若者も、大体、そんな風にTVを捉えているのだと僕は思う。
けれどもO君よ。今、政治家たち…君の未来にも一番大きく関わってくる事に成る存在だ…は、そのTVを利用して、私たちの国の政治を執行しているのだよ。
君の前の20年間、若者が搾取されつくしたのも当然なのだ…彼らは、本音は、自分たちが幸せで、高給取りで、六本木界隈を楽しみ尽くせたら、それで良いと考えていたのだから。
或いは、君は「一人で世界を変える事なんて出来ない」とも言ってたよね。
ジョン・レノンだって、ボブ・ディランだって、サルトルだって、マルクスだって…全ての歴史上の偉人たちや、偉大な学者たちだって…皆、一人で、世界を変えて来たんだよ。
彼らで何にも変わらなかったと思うのなら、それは君の勉強不足。
©芥川賢治