今週号の週刊朝日から。
今週号の週刊朝日は、もう売って居ないでしょうし、読んだ方も、ごくわずかだと思います…なにせ、たった26万部ですから…大阪市内中心部と豊中、吹田の一部に折込した部数と一緒なのですから。
検察騒乱罪 追及!検察が捏造した「政治とカネ」
「小沢起訴」は無効である
との見出しで特集された気鋭の記事です…本当は至極当たり前の記事なのですが。
東京第五検察審査会が2回目の「起訴議決」を公表したそのとき、民主党の小沢一郎元代表は、「これは権力闘争だぞ」と言って、涙をにじませたと報じられた。
さすがの小沢氏も思わず感情的になったかー誰もがそう感じたことだろう。しかし、これもまたメディアによってつくられた、追いつめられた小沢”というイメージでしかない。
10月4日、東京地裁前の掲示板に「起訴すべき」との議決書が張り出された直後、盟友の元参院議員の平野貞夫氏(74)のところに本人から連絡が入った。
「政治的にこの問題を考えて、どうだろうか?」
瞬間的に平野氏は「角さんのことだな」と感じたという。小沢氏の政治の師である田中角栄元首相は1976年、ロッキード事件での逮捕と同時に離党した。
「離党すべきではないですよ。あの時とは、時代も状況も違う」と答えると、
「そうだな。ただ、メディアや専門家からは総攻撃を受けるだろうな」
と語ったという。
平野氏が言う。
「そうは言っても、淡々としたもので悲壮感はなかった。『涙』というのは、ニュアンスが違うでしょう。側近議員たちと会って思いのほか励まされ、感極まった可能性はありますが、いずれにしても、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で、検審の議決に楽観的な見方が流れた後も、『みんな甘い。何が仕掛けられているかわからんし。制度としてあるんだから甘く見ちゃいかん』と言っていた。覚悟はしていたんですよ」
そう、小沢氏自身が覚悟していたように、いまや世の中は、すでに「有罪」が確定したかのような見方が氾濫し、議員辞職を求める声も強くなっている。しかし、小沢氏が問われている“疑惑”の内容はそれほどのものなのだろうか。
本誌が再三、指摘してきたように、小沢氏の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で問題なのは、小沢氏はいったい何をしたのか、そしてそれは処罰に値する犯罪なのかIという点てある。
検審が指摘する小沢氏の疑惑は、要するに、「陸山会一が04年10月に約3億5千万円で土地を購入したのに、04年分ではなく05年分の政治資金収支報告書に、同年1月に支出したとして記載したというものだ。
土地取得と代金支払いの時期が2ヵ月ずれていたーという、たったそれだけの「記載ミス」である。
小沢氏は、“実行犯”としてすでに政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で起訴されている石川知裕・衆院議員(37)らと共謀して、収支報告書に虚偽記入させたという「共犯者」としての疑いを持たれている。
しかし、一般庶民である我々の常識と、よく照らし合わせてみてほしい。たとえば、自分がマンションなどを買うとき、登記をいつにするか。土地取引がいつの時点で確定するか、必ずしも明確でないだろう。
しかも、今回の議決書で小沢氏や石川議員らの関係は、何とも意味深な表現でその“悪質さ”が強調されている。
土地取得と代金支払いの時期がずれているのは、〈土地取得の経緯や資金についてマスコミなどに追及されないようにするための偽装工作〉であり、
〈被疑者(小沢氏)とB(石川氏)、A(大久保隆規・元公設第1秘書)、C(池田光智・元私設秘書)の間には強い上下関係があり、被疑者に無断でB、A、Cが隠蔽工作をする必要も理由もない〉 というのだ。
憲法が専門の神戸学院大学法科大学院の上脇博之教授(52)は言う。
「なんて感情的な議決書だろうと驚きました。何の直接証拠もないのに起訴すべきと判断し、その理由について、『国民は裁判所によってほんとうに無罪なのか、有罪なのかを判断してもらう権利がある』とある。こんなことがまかり通れば、有罪を立証できる確証がなくても、なんだか怪しそうな人はとりあえず、裁判の場に引っ張り出せということになってしまいます」