梅棹忠夫大(たいじん)のこと。
梅棹忠夫大人は、大先輩ですが、芥川が長い年月、実業界で働いて飯を食わなければならなかった時間を、世界を自ら歩き、住み、検証し続けていた訳ですから、そりゃ、どえらい洞察な訳です。
実は、芥川が、大人と全く同様の頭脳を持っていることの、一つの…単純過ぎて申し訳ないが…証明としては、日本の殆ど全ての人は…知識人も含めて…アメリカに行けば、アメション、ヨーロッパに行けば欧州ション、中国に行けば中国ションになって、帰って来る訳ですが。
僕は、最初に欧州に行った時に、欧州は、いまだに階級社会を脱却していない、と直ぐに気付いた。
或いは…先年…元・大企業の部長だった人間と、ホテルのロビーで話していた時、彼が業界の視察旅行かなんかで中国(上海)に行って帰って来て、話した。「日本はもうあかん、中国は凄い…」この時、僕は烈火のごとく、怒ったのです。「あんたみたいな人がいるから、日本はあかんのや。中国がどんな国か分ってものをいっているのか。…中国人の平均月給は、今でも、せいぜい2~3万円だろう、実は一万円、或いは、それ以下の人が一番多いはずだ。そんな国に、日本が負けた、あほぬかせ。もう、あんたとなんか二度と会いたくない」
この20年の要らざる苦しみに対する怒りが爆発したのでしょう…相手は、温厚な紳士だったのですが…それっきり、二度と会う事はないほどに。