先週号の週刊朝日から。

報道監視が厳しい中国でも、インターネットだけは十分に統制できないようだ。中国語の検索サイトを使ってみると、反日発言だけでなく、当局の「検閲」をかいくぐった政府批判も次々と見つかった。

 

11月4日夜、動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿された海保の流出ビデオは、数時間後には中国の動画投稿サイトにも投稿された。半日後には削除され、リンクをクリックしても、「訪問できません」などと表示されたが、「中国でアクセスが規制されているツイッターやユーチューブを使っている人も実際には多く、さまざまなルートで映像を見ています」(中国ウォッチャー) ビデオを見た人の問では冷静な反応もあるが…中略。

 

…中国問題に詳しいジャーナリストの富坂聴さんはこう話す。

「中国のネット人口は4億人を超え、携帯電話での情報交換も盛んです。もはや完全には統制できず、チベット問題や天安門事件に絡む政府批判など、当局にとって本当にマズいものを優先して検閲せざるを得ないのが実情です」

 

そこで、20年ほど前に来日した北京出身の中国人ジャーナリストの協力を得て、中国最大のネット検索サイト「百度」などで、中国のネット社会の、“生の声”を検索してみた。…中略。

 

…そこで、格差を意味する「差距」や、家賃の高騰を意味する「房租暴濠」を入力して検索すると、怒りの声が次々と出てきた。

 

「人口の4%しかいない公務員が、財政の30%を浪費している」

 「(家賃高騰に)手を打たない政府はくそったれだ」

 

なかには、検閲を逃れるためか、「政府」の英訳を 「governmentjと分かち書きしたり、胡錦濤国家主席が掲げる平等と支え合いの「和諧」社会を拓楡し、発音が似ていて「検閲による削除」の隠語でもある「河蟹」社会に置き換えたりしたケースも。

 

政府はカネを庶民のために使っていない。尖閣は俺たちには関係ないので政府が勝手にやれ」「まず党員と官僚が死ね。その後に俺も行く」

 

尖閣問題に関する書き込みも反日一辺倒ではなく、政府への批判が目立った。

 

「日本と戦争になったらどうするか、という問いかけへの反応は、『戦う』と『イヤだ』がほぼ3分のIずつで、残りは無関係な書き込みでした。日本人が思うほど一色に染まっているわけではない」(富坂氏)…以下略。

 

     本誌・林 恒樹  黒字化:芥川

 

 

 

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