カームラだけではない、他の女性記者も鋭い…先週号の週刊朝日から。
水源林から離島まで
中国が買い漁る日本の国土
北方四島や尖閣諸島が日本固有の領土であることは、言うまでもない。だが、そう声高に叫ぶ足元で、日本の土地が外資に買われている。着々と進む、“国土買収”を知らぬは日本人ばかりなり、なのだ。
北海道西部の倶知安町。ジャガイモ畑の向こうに連なる羊蹄山とニセコアンヌプリ山のふもとには、豊かな森林が広がっている。
だが、このうちの57ヘクタールはすでに、“日本のもの”ではない。この土地も含め、道内ではこの2年間で463ヘクタールの森林が、豪州やシンガポール、中国などの外資に買収された。
なかでも経済発展が著しい中国資本の鼻息は荒いようだ。
「リゾート開発が規制された土地まで買収している。目的が見えず不気味です」 (地元住民)
国土交通省の統計をベースにした東京財団の報告書によると、日本の山間部の土地の取引件数はこの10年余で年800件から1200件に増えた。だが、そのうちの何割が外資によるものかは判然としない。買収時に日本企業や日本人が介在すれば、外資とカウントされないからだ。
この問題を調査するある関係者は、こう指摘する。
「都道府県に照会しても、個人情報を盾に買い主を明かさないこともある。地籍の整備が進んでいないので、面積や地番など売買の実態がはっきりしないケースも多い」