今朝の日経新聞から。

 米国に留学する日本人が激減している。1997年の4万7千人をピークに今や3万人を切る水準だ。商社でも若手が海外勤務を望まないと嘆き節がきかれ、長引く景気低迷や少子化と相まって 「内向き」志向は危機にひんする日本を象徴するキーワードの一つとなった感がある。

 だが、世界は違う。

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10月5日、米シリコンバレーにあるスタンフォード大学。その一角で米半導体大手エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が寄付した施設の完成記念討論会が開かれた。居並ぶ起業家や学者を見回したジョン・ヘネシー学長は「米国生まれは僕だけだね。これがスタンフォードだ」と語り始め、笑いを誘った。

 

ファンCEOは台湾生まれ。壇上にはインターネット検索大手ヤフーの共同創業者、ジェリー・ヤン氏もいた。同氏も台湾生まれで、10歳で米国に移住した際には英語が全く話せなかったという。スタンフォード大在学中にヤフーを共同設立した。

 

ネット検索でヤフーをしのぎ、尖閣諸島沖の中国漁船衝突の映像流出で話題のユーチューブを運営するグーグルもスタンフォード在学中の2人が創業した。その一人、セルゲイ・ブリン氏はモスクワ生まれ。旧ソ連から自由と機会を求めて移住したユダヤ系ロシア人家庭の出身だ。

 

スタンフォード大に限らず、シリコンバレーには米国生まれではない経営者やエンジニア、研究者がひしめき合う。共通しているのはビジネスやアカデミズムの舞台で世界を相手に戦い続けていることだ。特に、中国や韓国、インドなどからは国の代表選手のような俊英が集まる。

 

「日本にいると、学費や入学条件、卒業後の進路など留学を具体的に検討する情報が少なすぎる」。スタンフォード大医学部の博士課程で学ぶ宮崎勇典さんは日本人留学生か少ない理由を説明する。米国は学費が年々上昇、生活費も考えると、総費用はサラリーマンの平均年収を軽く超える。親に頼るわけにもいかず、ためらう学生が増えるのはうなずける。

 

しかし、アジアなどの必ずしも裕福でない家庭の子どもが官民のあらゆる奨学金制度を活用して米国で勉学に励んでいるのも事実。彼らの挑戦が将来母国の活力となるのは間違いない。以下略。

 

シリコンバレー=岡田信行 黒字化:芥川

 

ここにも「アメリカの真髄」が在るのは言うまでもない。

これまでの20年超の様な、たへばなやほへに代表されるような、人間たちが作って来た「内向きの虚構ゲーム」が、どんなに、米国の真髄から遠い地平に、日本を追いやっていたかに気付くべきだろう。

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