今朝の日経6面(国際)から。

中国の強硬姿勢を恐れるアジア
広がる米国接近ムード  黒字化は芥川。  

日本の政治家らが必ず口にする話題からは、中国への不安と、米国の衰退への懸念が頭の中でせめぎ合っていることがよくわかる。
       
尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件は日本の不安を現実のものにした。中国人船長の拘束と釈放は日本政府の熟慮の結果というより失態だ。

レアアース輸出禁止にまで発展した 船長逮捕への中国の反発の激しさは、より多くの得点を稼ごうとする計算ずくの行為に見える。中国は格下からの挑発を容赦しない。
中国漁船衝突事件での反発の激しさを、権力闘争で軍部が優位に立ちつつあることの表れと見る外交官がいる。
改革・開放派が保守派のナショナリズム路線の必要性を感じたと見る向きもある。

第三者から見て驚くべきは日中間の信頼関係のまったくの欠如だ。
     

ここに米国が関与する余地がある。
 
G20首脳会議は米国はもはや中国と断絶できないという通念を確認する場になった。
  
米国の地位が低下してもこれまで以上にアジアに必要とされるという逆説的状況がある。中国を封じ込められると思う者はなく、誰もが中国に対し防衛策を講じようと決意している。

クリントン米国務長官はこれまでに なく歓迎されているという。ハノイでの東アジア首脳会議(サミット)で南シナ海での航行の自由は米国の利益になるとの発言に中国は激怒し、東南アジア各国は静かに喝采を送った。
  
かつての力こそ失ったが、米国はアジアに不可欠だ。中国が強硬な態度を示すほどアジア諸国は米国に接近する。日本の中国脅威論はアジアの多くの国々でも耳にする。中国指導部はここから教訓をくむべきだ。(19日付)  =英フィナンシャル・タイムズ特約

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