今朝の日経から…米株式市場でインサイダー疑惑。
米金融市場で大規模なインサイダー取引の疑惑が浮上している。複数のファンドが非公開情報に基づく株式売買で不当な利益を得た疑いかおり、金融大手ゴールドマン・サックスが関与したとの報道も出ている。事件の展開次第では株価にも影響するだけに、市場関係者は警戒を強めている。
「専門家ネットワーク(expert network)」ー。聞き慣れないこんな言葉がここ数日、市場関係者の間に一気に広まった。今回のインサイダー疑惑のキーワードの一つだ。
疑惑を20~21日付の紙面で最初に報じた米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、企業の元幹部ら内部事情に詳しい「専門家」とヘッジファンドなどのつながりを指す。情報サービス会社が双方の仲介役となり、非公開情報に基づく株式売買でファンドが利益を上げていたと捜査当局はにらんでいるという。
報道によると、捜査は3年越し。米連邦捜査局(FBI)、米証券取引委員会 (SEC)、ニューヨーク・マンハッタン連邦検察など当局の捜査が最終局面にあり、一部案件は年末までに起訴に至るとしている。
捜査対象は幅広く、相当数のファンドなどが情報提供を求められたもようだ。投信運用大手のジャナス・キャピタル・グループは調査を受けたと公表。ウェリントン・マネジメントやSACキャピタル・アドバイザーも聴取を受けたとされる。
当局は22日にはニューヨーク、コネティカット、マサチューセッツ各州の中堅運用会社を家宅捜索。24日にはカリフォルニア州の投資情報会社の幹部を逮捕した。
市場関係者は捜査がどこまで広がるかに関心を寄せる。同紙はゴールドマンがヘルスケア関連の企業統合に絡み、情報を漏らしたかどうかが焦点の一つだと報じている。この報道を受け、ゴールドマン株は22日、3・4%急落し、その後の値動きもさえない。…以下略。
(ニューヨーク=西村博之)