家康殿の所望。

芥川殿は、古代から、60年前までを、1%の人間の時代、…残りの99%は、寒い、貧しい、不自由、命が軽い…ロクなもんじゃない…しかして、昔の事を調べ尽くした学者でござる、大家でござるなどという顔をしているものは、愚か者の極み、とまで、言いなさる事がありますな…わしにも、耳の痛い所なのじゃが。

 

芥川殿が言及する、梅棹たいじんは、わしら武士の事を、ボロクソに言いなさるが、…士農工商…古代から連綿と続いて来た身分制度を、まるで、わしが完成した様になってしまっているが、…貴殿だけじゃのぉ、わしらの時代では、そこまでは、全く、頭が、…手が回らなかった。

 

わしの場合には、古代から連綿と続いてきた、権謀術策を弄した挙句の、殺し合い(権力者に依る、身内同士の殺し合いが一番多かった訳じゃ)そして、数々の内乱、やがて戦国時代に…わしも、「もう駄目か」と思った事は、一再ならず…信長殿が光秀に討たれた時は、わしは、信長殿からの返礼…わしの歓待に対しての褒美として、西国訪問を許されて、堺を訪問、滞在しておった時じゃったから、殆ど、手勢もおらず、わしもこれまでと、切腹を考えた程じゃった…

 

あの屈強にして、最大の強敵だった武田信玄との戦いで敗走した折には、あまりの、死ぬかもしれない恐怖と緊張の連続、で、馬上で脱糞したほどじゃった…

 

この、歴史に終止符を打ち、日本国を、北から南まで、…戦の無い、総体として、それぞれの国(藩)が、栄える様にすること…その事で手一杯じゃったわけじゃが。

 

芥川殿は、それは、全く当然、それ以上の事が出来る訳が無い…日本が、民主主義国家になったのは、わずかに60数年前なのだから、と、わしを、慰めてくれた訳じゃ。

 

芥川殿は、ここ数日前から、また、それなりに、新聞を読み出した様じゃが、今の日本のことを、少し、聞かせてくれんかの?

 

家康殿、丁度、良かった。今日の朝日新聞…これは、本来、クオリティとしては、日本一の新聞なのじゃが…それでは、は、の部分とは何でござる?他の新聞も同様なのじゃが、政治部や検察等上がりの記者が出世して、論説を張る…これがロクなもんじゃない…これらの新聞会社の子会社である、テレビ番組の酷さは、先人たちに対して、申し訳も立たぬ程じゃ。

 

発狂するほどの寒さ、貧しさ、不自由等を、乗り越えて生き延びてきた、先人たちに、顔向けが出来ぬ程の、お粗末。

けれども、今日の、朝日には、たくさんの良い記事がありましたから、それを家康殿に、お聞かせしようぞ…是非、聞いてみたいものじゃ。

  

  

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