現在の世界に支配的な傾向は、著者の言葉でいうと、「脱政治化」である。

前略。 *黒字化は芥川

たとえば、1990年以後、「資本主義」のかわりに、もっぱら「市場経済」という言葉が使われるようになった。それは資本の蓄積が資本と賃労働という階級関係にもとづくことを無視し、また、資本主義経済が自然的・永続的であるかのように考えることである。 

このような脱政治化が日本や先進資本主義国でおこったが、実は、中国でも同じであった。「社会主義的市場経済」の名の下に、資本主義経済(新自由主義)が急激に進行し、各地で深刻な階級対立が生じたのである。ところが、それはナショナリズム、エスニックーアイデンティティー、あるいは人権問題などの「政治」にすり替えられた。それらは政治的に見えるが、脱政治的なのだ。…後略。

注:読者の方々は、「文明のターンテーブル」、第一章に於いて、芥川が、幾つかの章で書いて来たことの正しさが、当代きっての評論家である柄谷氏に依って実証されたと思われるのでは、ありますまいか!(笑)…げに、芥川殿は恐ろしか、と家康殿は言っておりますが(笑)


3月6日、枳穀邸にて。

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