「第6の波」J・B・ムーディ、B・ノグレーディー著…日経読書欄から。
書名にとられている「波」は、ロシアの経済学者、コンドラチェフが発見した50大年周期の世界経済の循環の波を指す。1780年代に始まる紡績業をけん引車とする 「第1の波」、1848年に始まる蒸気機関の発明を起爆剤とした「第2の波」などだ。著者は1980年ころに始まり2001年に崩壊した情報通信技術による好況を「第5の波」と呼ぶ。
これから起きようとする「第6の波」は、高騰する資源をより効率的に利用し、環境負荷を下げるイノベーションがけん引する、と著者はみる。その発想の原点は、世界が資源浪費中毒にかかった結果、「資源が底を尽きかけ、気候変動と食糧危機」の脅威にさらされているという認識だ。…後略。