小泉待望論なんぞを為している阿呆は読むべきだろう…アエラから。

世界最大級の原発の耐震テスト設備
売却され「スクラップ」に
もしかしたら、福島原発の事態は回避できていたかもしれない。
そのカギを握る原発の耐震テスト施設が小泉政権下、二束三文で売り払われていた。
編集部佐藤 章
…前略
だが多度津の振動台が原発専用なのに対し、文科省の振動台はより一般的な建築物が対象。最大加速度も多度津より小さい。
本当に閉鎖していいのか.当時、原子力安全委員会の専門委員だった柴田碧・東大名誉教授は「この時期に試験所がなくなるのは大きなマイナス」と訴える意見書を委員会に提出、国会でも取り上げられた。
日本共産党の吉井英勝議員が05年10月から06年5月まで3回、衆議院内閣委員会や予算委員会の部会で質問した。
吉井議員は京都大学工学部原子核工学科を卒業、東大原子核研究所にも所属したことがある、国会議員ではただ一人の原子力専門家だ。

小泉首相の答弁書は
吉井議員の質問は、今度のような大地震と大津波が、老朽化した原発を襲うことを想定したものだった。
多度津の振動台の施設を新たに放射線管理区域にして、老朽化した原発の設備をあらためてテストし直す施設にしたらどうか、という提案だったが、相手にされなかった。
 06年3月1日の予算委員会第7分科会では、こんなやり取りも交わされた。
 「腐食や亀裂や破断の発生を、直前に近い状態、つまり、老朽化したものの実証試験を行ったということはどれぐらいありますか」(吉井氏)
 「老朽化をしたもの、そのものについての実証試験は行われておりません」(広瀬研吉原子力安全・保安院長=当時)
吉井議員は05年10月には同様の趣旨の質問主意書を出しているが、これに対して、同年11月11日付の小泉首相名で出された答弁書にはこう記されている。
「必ずしも多度津振動台を用いた実物大の試験体による試験を行わなくても、他の研究機関の試験設備による試験及びその試験結果のコンピュータ解析によつて、安全上重要な設備の地震時の挙動を把握することが十分に可能であると考えており、今後、多度津振動台を用いた御指摘のような試験を行う考えはない」
老朽化した原発の設備について、実地の試験は必要ない。コンピューター分析だけで十分というわけである。
今度の大地震と福島原発の危機下にある現在、この答弁書は見過ごすことのできるものではない。
原発は、圧力容器内部の中心部分をはじめ、おびただしい数の設備、管などが組み合わさっている。
今度の福島原発事故では、設備の老朽化と激震の関係についての分析はまだ先になるが、机上のコンピューター分析だけではわからない劣化が多数あるにちがいない。
「圧力容器の中の炉心隔壁は高速中性子を浴び続けて劣化しているんです。もろくなっているんですね。冷たいコップに熱いお湯を入れるとパリンと割れるでしょう。あんな感じになっているんですよ」(吉井氏)
電源の問題にも
巨大地震が老朽化原発に与えるダメージを軽く見ていたのは、当時の小泉内閣だけではない。
福島第一原発で進行中の危機のうち最も心配されているのは、冷却不能になった高熱の燃料棒が溶け出してメルトダウンしてしまうことだ。
そうなれば、多大な放射性物質が大気中にばらまかれる。
しかし、電源がすべて失われれば燃料棒を冷やす水を入れることができず、そうなることは簡単にわかる。
…続く。

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