それでは、昨日の参議院での質疑応答を、読んで下さい。…今朝の朝日4面、該当部分の全文。

首相の原発視察で攻防

野党「排気着手に7時間」

菅直人首相は29日の参院予算委員会で、東日本大震災後、初めて国会答弁に立った。

野党は、震災翌朝の首相の福島第一原発の視察が東京電力の初動の遅れを招いた可能性を指摘。

首相は全面的に否定し、「その後の判断に役立った」と反論した。
 
自民党の礒崎陽輔氏と、公明党の加藤修一氏が問いただした。

集中的に取り上げたのは、首相の視察時に原子炉格納容器の圧力が高まっていた福島第一原発の1号機をめぐる対応。

放射性物質を含む蒸気を外部に放出して圧力を下げる「ベント(排気)」を首相が指示してから、東電が作業に着手するまでに7時間以上経っていたという点だ。
 
首相は12日午前1時半にベントを決定し東電に指示。午前7時10分過ぎに自衛隊ヘリで原発に到着し、敷地内を視察したり状況説明を受けたりして50分以上とどまった。

東電がベントに着手したのは、首相が原発を離れた午前9時過ぎになってからだった。
 
礒崎氏は「メルトダウン (炉心溶融)の可能性があるから早く蒸気を出さなければいけないという、緊迫した状況でヘリで視察に行った。
初動のミスがあったと言われても仕方ない」と指摘した。
 
首相は「現場の状況把握は極めて重要だと考えた。第一原発で指揮をとっている人の話を聞いたことは、その後の判断に役だった」と応じ、視察の有効性を強調。

海江田万里経済産業相は「格納容器の圧力上昇は、放置すると容器が破壊される恐れがあるから、午前1時半に首相と私でベントを決め、東電に促した。ただ、電源が失われていて(ベントが)開かないということがあって、最終的には手動で開けた」と説明した。
 
礒崎氏は「政治的パフォーマンスをしたかったのではないか」とも追及。首相は「全く違う。一貫して(ベントを実行すべきだという)方針を東電に伝えていた。視察で遅延したという指摘は全くあたっていない」と反論した。
 
公明党の加藤氏は首相の視察について「行くべきではなかった。官邸に腰を落ち着けるのが陣頭指揮。(現場の)邪魔をした」と指摘。

首相は 「現地の様子はワンクッションを置いてしか(情報が)入らない。現地の状況を最低限把握するのが重要だ」と反論し、「短時間だが、現地の関係者と意見交換した。色々な見方はあると思うが、(視察は)陣頭指揮のひとつのあり方だ」との見方を示した。

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