計画停電、月内に原則廃止…今朝の日経新聞1面から。
夏場のピーク電力 大口25~30%制限
今夏の電力需要の増大をにらんで、経済産業省が策定した電力需給対策案が5日に明らかになった。地域ごとに電力供給を停止する計画停電について、4月のできる限り早期に原則廃止する方針を明記。電力需要を抑えるため、東京電力管内で工場などの大口事業者による夏のピーク時の瞬間最大電力を平年に比べて25~30%制限する。小口事業者には20%、家庭には15%程度の節電目標を設ける。これによって電力需要が急増する夏場も計画停電の回避を目指す。(関連記事3面、対策案の要旨5面に)
家庭にも15%節電目標
経産省は、政府が近く開く電力需給緊急対策本部(本部長・枝野幸男官房長官)に原案を報告する。
対策本部は4月下旬をメドに需給対策を最終決定する。
需給対策は東日本大震災や原子力発電所の事故による電力不足に対応するため、電力供給を上積みするとともに抜本的に需要を抑制するのが柱。東電が実施中の計画停電は原則廃止し、供給が大幅に不足したときの安全網と位置付ける。
東電管内での電力不足は1000万キロワット、昨夏並みの猛暑なら1500万キロワットと想定。
需要抑制で1000万キロワットを、電力供給力の上積みによって500万キロワットをそれぞれ確保するとした。
需要面では、契約電力が500キロワット以上の大口需要家に対して強制的に使用最大電力を制限。
7~9月の平日午前10時~午後9時に一瞬でも使用電力が上限を超えないよう命じる。削減幅は25~30%で詰める。
業界ごとに検討している「輪番操業」を含めた行動計画の実行も企業に促し、需要抑制の効果を高める。 。
500キロワット未満の小口事業者については、全体で瞬間最大電力を20%程度抑える目標を設定。
空調や照明の節電、営業時間の短縮などを盛り込んだ個別行動計画の策定を求める。
家庭・個人に対しては15%程度の削減を促す。
目治体や学校と連携して節電意識を徹底するほか、野球などテレビ中継の時間調整や電力需給データの表示でも協力を呼びかける。
供給上積みでは、ガスタービンの新設などを進める。大震災で落ち込んだ供給力を補うための設備導入を環境影響評価(アセスメント)法の適用外にするほか、大気汚染防止法の緩和などを検討する。被災した火力発電所の復旧や再稼働も急ぐ。
今夏は、東北電力でも最大330万キロワットの電力供給が不足する可能性かおる。
東北電の管内でも、大口需要家の瞬間最大電力の削減などを実施する。被災地を対象にするかどうかは、復旧状況を踏まえて判断する。