「メイド・イン・ジャパン」の底力を世界に示す。「部品や素材の取引先は絶対に守る」…竹中博司社長。
半導体製造装置大手、東京エレクトロンが今年10月を予定していた宮城県大和町の新工場稼働を7月に一部前倒しする。宮城県の既存工場は震災の影響を受け、代替する山梨県の工場は電力不足の懸念がある。出荷が滞れば顧客をつなぎ留められない。最新鋭工場で性能や効率を高め、「メイド・イン・ジャパン」の底力を世界に示す。
そのために「部品や素材の取引先は絶対に守る」と社長の竹中博司(50)はいう。東北6県と茨城県に拠点を置く取引先439拠点のうち34拠点の操業に支障が出た。金融支援も検討するなど懸命に支える。
*自分達の保身を考えることに汲々している現内閣に、爪の垢でも煎じて飲ませたいと思うのは芥川だけではありますまい。
「国」を選べるか
被害の軽重はあれ、これほど広域に企業が打撃を受けた災害は日本の歴史上になかった。長引く混乱に疲弊する国民の姿。
「国を選ぶことができる」としてきた企業も、自らの「国籍」を意識せざるを得ない。
三菱重工業社長の大宮英明(64)は問う。「震災前、企業は安全な日本で集中・効率生産するからこそコスト競争力があった。今でもそうだと言えるのか」。一変する経営の前提。だが「それなら海外」と割り切れるわけではない。
発電設備や交通システムなど日本の社会インフラを担ってきた三菱重工。震災が破壊したインフラをどう築き直すか。
「想定外」は理由にできず、コストは上昇する。それでも大宮は「早期復旧が我々の使命」と言い切る。
長期で見れば海外生産拡大の重要性は薄れない。ただ、今は国内の総力を結集し供給責任を果たすと優先順位を決めた。
部品や電力が届かず、生産コストは上がる。先の見えない長期戦。
企業が乗り越えられれば、失われつつある日本の信用を取り戻せるはずだ。
(敬称略)
今朝の日経新聞一面 東日本大震災 立ち向かう企業 から。 黒字化は芥川。