ベントが遅すぎたのか…ニューズ・ウィーク3月30日号。「想定されていた「フクシマ」の暴走 から。

 中村美鈴、藤田岳人、長岡義博    小見出し以外の黒字化は芥川

…前略。

ベントが遅過ぎたのか 

たとえ東電が言うように想定外だったとしても、炉心溶融などの「シビアアクシデント(過酷事故)対策としてアクシデントマネジメントがあったはずだ」と、宮崎慶次・大阪大学名誉教授(原子刀工学)は言う。
 
「アクシデントマネジメント」とは、現状の安全設計の想定を超えるような事態が発生した場合でも、事故拡大を防げるよう電力会社が自主的に整備する対策。具体的には、ECCSが機能しなかった場合に備えた消火用ポンプによる注水や、格納容器の圧力を下げるためのベンド(排気)ラインの設置などが含まれる。まさに今回、福島第一原発で行われた対応だ。
 
ではなぜ事態は深刻化し、炉心の損傷にまで至ったのか。「ベントのタイミングが遅れた感がある」と、宮崎は言う。格納容器の圧力が高過ぎると、いくら消防ポンプで水を注入しようとしてもうまく入らない。「ベンドは微量とはいえ、放射性物質を含んだ蒸気を意図的に外に出すわけだから、躊躇したのかもしれない。だが早く空けるべきだったし、そうすれば爆発は免れたのではないか」
 
ベントが速やかに行われなかった理由は定かではないが、さまざま思惑によって遅れた可能性は否定できない。原発の安全神話を自らの手で否定する行為に踏み切れなかったのか、事態をすぐ収束できると過信していたからなのか、それとも政府の顔色をうかがっていたのか。
推測にすぎないが、どれも考え得る理由だ。

…中略。

もっとも、情報については、正確な数値がまだ採取できていたと思われる地震直後から不透明だった。東電も保安院も官邸も「情報がない」「確認できていない」を繰り返し、国民の不安は募るばかりだ。
 
東電だけでは収拾できない事態にもかかわらず、政府との連携・情報共有がスムーズに行われていなかったのも明らかだった。
政府と東電の「統合対策本部」が設置されたのは、地震発生から4日後だ。
 

…後略。

*そして、昨夜、現内閣のスポークスマンとして、寺田某は、全ては東電側の責任であるかのような事を話していた。
地震発生から4日後に「統合対策本部」を設置したような内閣がだ。

彼らの嘘は、ことごとく明らかであると芥川は思う。

嘘つきは、必ず、馬脚を現すのである。

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