問題は、何もミッション(使命)を果たさないまま、ズルズルと政権を続けることですよ。…終章。
-ところで、細川さんが首相に就いた1993年から18年の間に、12人の首相が誕生しました。在任期間は細川さんが8ヵ月、平均では約1年半。短命政権が続いて、国益を損ねているといわれています。
「私はそれについては、人様と考えが違うんです。昔から『長きを以て尊しとせず』というのが信念でね。要は何をやるかが問題なのであって、長いか短いかは結果でしかありません。財政や社会保障など、これだけ難しい課題が山積していると、1人ですべて片づけられるはずはありません。
『一内閣一仕事』、全力で決着を付けて退場する。その結果、回転が速くなってもやむをえない。そういう時代もあるでしょう。仕方がない。
問題は、何もミッション(使命)を果たさないまま、ズルズルと政権を続けることですよ。外国から『日本の首相はころころ代わってやりにくい』と言われるかもしれませんが、やるべきことをやれば必ず評価されると思いますよ」
「細川政権の役割は自民党からの政権交代を果たし、政治改革関連法を成立させること。さらにコメ市場の部分開放でした。やるべき仕事を終えたので、退場したわけです」
ーいまの話が、菅首相への一番のメッセージになったように思いますが……。
「さあ、どうかな。自分が可愛いうちは切腹はできませんよ」
取材を終えて
細川氏の庵は、東京から電重で1時間ほどの温泉街を抜けた山腹にある。「風の音、鳥の声しが聞こえません」と本人。。陶芸や読書に勤しみながら、歴史や政治に思いを巡らせる。俗世界とは縁遠いようだが、時には霞が関の若手官僚との勉強会を続け、細川政権当時の同志である園田博之氏(たちあがれ日本幹事長)らとの情報交換も重ねている。
大震災からの復興には「22世紀の東北創りといった大風呂敷を」と訴え、菅首相には「おのれをむなしくせよ」「長きを以て尊しとせず」と助言する。その「時代感覚」は、なかなかのものだ。大震災に向き合う政治に求められるのは、まさに時代感覚である。
(編集委員・星浩)
*星浩さんだったとは驚いたが、伊達に東大ではないと、君子は豹変であるとして、やっと反省をした訳だろうが、まだまだ、原発現場でのホースかつぎやポンプ担ぎから、免れた訳ではありませんぞ。