自国を信じず、国際機関を信仰するような戦後の病は、やはり克服する必要がある。
以下は昨日の産経新聞、産経抄からである。
子曰く、過ちては改むるにはばかることなかれ。
中国・武漢市当局は17日、新型コロナウイルス感染による死者と感染者数を訂正し、これまでの発表より死者は1290人、感染者は325人多かったと明かした。
同市での死者数は計3869人、感染者は計5万333人となった。
とはいえ、中国当局の出す数字は、誰もが眉唾ものだと分かっている。
今回の訂正も、果たして実態を表しているかは判然としない。
南京事件の犠牲者は35万人などと、荒唐無稽なことを平然と主張する国のデータを真に受けられる道理がない。
中国と違い、なまじ一定の信頼感があっただけに評判下落が著しいのが国連の専門機関、世界保健機関(WHO)とトップを務めるテドロス事務局長である。
中国から巨額投資を受けるエチオピアの保健相だったテドロス氏が、中国に寄り添い続ける姿に、国際機関の内実を知り興ざめした人もいよう。
「WHOが中国の不透明性を指摘していれば、感染拡大を封じ込め、死者も少なく抑え込むことができた」。
トランプ米大統領は14日の記者会見で強調し、WHOへの拠出金停止を明言した。
米国の死者数が3万人を超えることを思えば無理もない。
テドロス氏はこれまで中国のコロナ対策を称賛し、武漢市から各国が自国民を退避させた措置に「過剰反応だ」と懸念を示した。
WHOが緊急事態宣言を出した後の2月3日にも「(中国への)渡航や貿易を不必要に妨げる措置は必要ない」と訴えている。
中国経済への配慮としか思えない。
「日本人より国連の方が信用できる」。
十数年前、ある大物政治家が力説するのを聞いた。
自国を信じず、国際機関を信仰するような戦後の病は、やはり克服する必要がある。