ウイルスは習近平にも感謝しているはずだ。彼が市全体を隔離してくれたおかげで500万人が逃げ出し、世界に自分たちを拡散してくれたからだ。

2020-03-31

以下は日本国民のみなならず世界中の人達が必読の月刊誌Hanadaに、新型コロナウイルスが暴いた真実、と題して掲載されたエドワード・ルトワック氏の論文からである。
世界中の人達には、私の英訳で出来るだけ伝える。
特に、昨夜のニュースで、私が知った、言語道断な事実、私達日本人に対して「コロナウイルス」等と攻撃しているというインドネシアの無知蒙昧な輩達に対しては、即刻、知らしめる。
取材・構成 奥山真司
以下は前章の続きである。
この戦いは「戦争」か? 
この状態を「戦争」に譬えることもできるだろう。
戦争は常に真実を暴くものだからだ。 
ところが、戦争とは違う面も当然ある。
まず戦争は、政治や経済の実に様々な要素から成り立っている現象だ。
軍事だけでも海軍、空軍、陸軍などの多彩な面がある。 
ところが今回の感染症はシンプルで、純粋な医学的問題だと言える。その意味で、戦争とウイルス拡散への対処は似ているが、ウイルスのほうがはるかに「クリーン」だ。
戦争よりもはるかに損害の少ない形で真実を教えてくれる。 
戦争はいくつもの形をとるが、新型コロナウイルスは感染症の拡大というたった一つの形しかとらない。 
イタリア政府が今回の件で出し抜かれてしまったのは、イタリア中部、トスカーナ州のプラトーという街に中国人が集住しており、その住民がウイルスを持ち込んだからだ。 
ここには中国人が所有し、働く会社もある。
彼らが春節を祝うため中国に帰省し、本土から帰ってきた時にウイルスを持ち込んだ。 
問題は、彼らが罹患していたのに現地で医者に行かなかったことだ。中国人のなかにはビジネスオーナーがいて、もし従業員が罹患していることがバレたら、その会社は一時的にせよ隔離され、操業停止に追い込まれてしまう。
だから症状を隠した。 
もちろん、「中国人へのウイルス検査を徹底しろ」と意見を言った人もいる。
ところが市長は極左の人物で、「中国人に対するいかなる検査の要求も人種差別主義である」と言った。
もちろん、中国人全員を検査するのは物理的に無理だが、それでも「中国人」に対してだけ検査を要請するのは人種差別主義者のすることだと言い切ったのだ。
これこそ嘘であり、言い訳であり、体裁をとりつくろう行為で、極端なリべラルの姿勢だった。 
繰り返し言う。
ウイルスは真実を暴く装置なのだ。
だからイタリアに帰ってきた中国人たちは医者に報告することなく、ビジネスが隔離されることを恐れて口をつぐんだのだ。 
イタリア人はただでさえ法律に従わないが、プラトーにいる中国人はそれに輪をかけて法律を守らなかったので、ウイルスはイタリア全土に爆発的に拡散した。
イランでは当初、感染者は一人か二人であった。
でも、それだけでウイルスにとっては十分だった。
なぜなら、この国には感染を拡大するメカニズムがあったからだ。
狂信的な宗教のせいで 
ジヤムキャラムのモスクはまさに、フェデックス社が持っているテネシー州メンフィスのハブ空港のような役割を果たしている。
アメリカ中の荷物が一度ここに集まり、ここからまた全米各地へ散らばっていく。
ジヤムキャラムのモスクにも、各地から人々が集まり、巡礼して帰宅する。
ここにたった一人の感染者がいるだけでよい。
たった一人の感染者が500もの都市や村にウイルスを拡散することになる。 
本来なら、イランはこのモスクを閉鎖すべきであった。
ところが実際は閉鎖せず、逆に奇跡で病気が治ると言い張っている。彼らにとって最も重要なのは狂信的な宗教であり、国民の命ではない。 
もし新型コロナウイルスが人間からインタビューを受けたなら、自分を世界に広げたいウイルスがまず感謝するのは武漢トップである党委書記で、彼を大英雄と称えるはずだ。
もしこの党委書記が例の若い医者の警告を封じなければ、自分たちは武漢の半径1kmくらいのなかで封じ込められていたかもしれないからだ。 
ウイルスは習近平にも感謝しているはずだ。
彼が市全体を隔離してくれたおかげで500万人が逃げ出し、世界に自分たちを拡散してくれたからだ。
同様に、イランの宗教トップにも感謝しているだろう。
もしかすると、ウイルスはシーア派に改宗しようと考えているかもしれない。
フェデックス社的な拡散のシステムをイラン国内につくってくれたからだ。 
ウイルスは、世界を股にかけた旅人である。
そして旅先の場所で、次々と「真実」を暴くのだ。 
今回のコロナウイルス案件について、日本には矛盾した二つの現象があったことに注目したい。 
第一に、これが日本が海外向けに行っている大規模な観光誘致キャンペーンの最中に起こったことだ。 
これについては印象的なエピソードがある。
私はシュノーケリングで海に素潜りするのが好きで、最近、パナマのリゾートにでも行こうと思ってウェブサイトを眺めていた。 
すると、富士山の画像が現れた。
日本がソーシャルメディアを通じて行っている観光誘致キャンペーンは強力で、中南米の海に行く場所を探すアメリカ在住者に、富士登山を勧めるほど大々的に行われている。 
私が30年ほど前、妻と一緒に日本国内を旅した時には、外国人観光客に対応する設備がなく、田舎に行けば外国人にほとんど会うことがなかった。
世界の観光客にとって、日本は「知られざる国」だったのだ。 
実際、私が周囲の人に「日本は観光資源に溢れたすごい場所だ」と言っても、当時はみんなに笑われた。
それが真実だと誰も信じてくれなかったからだ。
つまり、日本はここ数十年間に「観光革命」を起こしたのであり、世界的にも「訪れるべき場所」としての地位を築き上げたのである。
この稿続く。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA