閖上へ捧ぐ — 大覚寺・大沢池に現れたイカルと夢想国師の導き
嵯峨天皇が800年前後に開基し、空海とも縁の深い大覚寺・大沢池で、筆者はイカルとツグミの大群に出会った。京都府立植物園での記憶、故郷・閖上の浜千鳥、大震災後の再訪の胸痛む体験が重なり、この出会いは夢想国師の計らいであると確信する。写真は、とりわけ閖上の人々に捧げられる。
嵯峨天皇が。
800年前後に開基した。
空海にも縁が深い。
大覚寺の大沢の池である。
2016-01-27。
昨日。
外を見たら。
殆ど快晴だった。
私は親友に電話を入れて。
すぐに京都に向かった。
いつもの様に。
我が庭である嵐山に向かう前に。
大覚寺の大沢の池に向かった。
昨日。
休憩所にいた。
私の目の前に現れた。
一羽のイカル。
彼らが。
きっといるに違いないと。
予感していたからである。
東洋一の植物園である。
京都府立植物園では。
私が常に歩いた小さな森に。
つがいが居て。
頻繁にその鳴き声。
(なかなか美しいのだ)。
を聴いていたし。
かつて。
カワセミが居た池の側の木の上に。
一団が止まっていたこともあった。
だが。
昨日の様な光景に。
出会ったことはなかった。
私が。
あっというまに。
50枚は撮ったことは。
言うまでもない。
何せ。
昨日は。
イカルとツグミのために。
約200枚は撮ったのだから。
おまけに。
ツグミは。
中之島公園が。
曇天に覆われていた時に。
高い枝の上に居たから。
背中がおかしくなったほどだった。
私の故郷である。
素晴らしい閖上は。
名取川が。
太平洋にそそぐ。
河口に面した港町だったから。
川と海と田園に囲まれた街だった。
だから。
野鳥と言えば。
(カモメは別にして)。
浜千鳥か。
ひばりしか。
目にしなかったと思う。
一昨年。
大震災後に。
初めて閖上を訪れた。
タクシーを止めて。
自分の家の在った場所を。
記憶を元に。
たどってみた。
伊達正宗が開墾した。
貞山堀が。
名取川に面した。
水門一帯は。
かさ上げ工事中だったのだが。
そこに。
つがいの浜千鳥が現れて。
私にまとわりつくように。
ずっとそばにいた時。
私は。
胸がつぶれた。
一昨日は。
きっと。
夢想国師が。
イカルを。
私の元に。
寄越したに違いない。
そうして私は。
彼に誘われるように。
大沢の池に来たのである。
ここで。
イカルを見るのは。
初めてだったにも関わらず。
私は。
ここに彼らは。
きっと居ると。
確信していたのである。
以下の写真を。
わけても。
閖上のみんなに。
贈る。
昨日の朝の。
嵯峨天皇が。
800年前後に開基した。
空海にも縁が深い。
大覚寺の大沢の池である。