美がないと日本人の精神は発動しないのである
日本人の発明と精神の根幹には「調和」があり、そこに「調和のとれた美」という感覚が不可欠であると筆者は述べる。日本人は利己主義を醜いものと感じ、調和のないところに美を見出さない。美こそが日本人の精神を発動させる原動力であり、その思想は天皇制の本質や自然と人間の関係にも通底している。さらに、野鳥が人間を恐れない日本の姿を通して、日本人と自然との調和の精神を実体験として証言する。
美がないと日本人の精神は発動しないのである。
2017-01-30。
前章に、付け加える。
日本人の発明の根幹には、調和の精神があるのである。
ここに、調和のとれた美、という感覚を付け加えなければならない。
手前だけ良ければ良いなどという利己主義を日本人は醜いものとしか感じない。
調和のないところに美を見出さないのである。
美がないと日本人の精神は発動しないのである。
そして、その美とは、すべての調和の上になりたっているものなのである。
この一文は、天皇制とは何か、について表現した最良の一文だろう。
自然と人間の関係においてもそうであることは言うまでもない。
私は、誰か中国人が言っていたと思うのだが、「私は日本にいる野鳥が人間を恐れていない事に驚いた。
私たちなら、皆、食べてしまうが、日本人はそうではない。
それが野鳥たちに伝わっているのではないか」。
今、世界有数の野鳥愛好家として、晴天となれば京都の野鳥を撮影している私は、そのとおりであると答える。
この稿続く。