緊急事態条項は独裁への道なのか
「緊急事態条項=独裁」とする論理は成立するのか。
1990年以降に制定された102カ国すべての憲法に非常条項は存在する。
それでも独裁なのか。
これらの国々はみんな独裁政権の圧政下にあえいでいるとでもいうのか。
2016-01-21
私は、高山正之の後輩である産経新聞の阿比留記者は、現在の日本で、最もまともな新聞記者だと何度か言及してきた。
今日、私が世界に発信した論説を早速読んでくれた友人が、今日の産経新聞に掲載されている彼の論文を読むようにと、差し入れてくれた。
彼は高山正之に続く、世界有数の新聞記者としての道を順調に歩んで来て、今、産経新聞の市価を大いに高めている。
以下は今日の産経新聞5ページからである。
見出し以外の文中強調は私。
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「独裁政権」民主が言うとは
民主党の岡田克也代表や社民党の福島瑞穂前党首がこのところ、自民党が憲法改正の具体的な項目として例示する緊急事態条項について、ナチス・ドイツの権力獲得過程になぞらえた発言をしている。
この人たちは、レッテル貼りのほかにやることはないのかとげんなりし、その論理破綻には開いた口がふさがらない。
「法律がなくても首相が政令で(国民の)権利を制限できる。恐ろしいことだ。ナチスが権力をとる過程とはそういうことだ」
岡田氏は15日のBS朝日の番組収録でこう語った。
収録後には記者団に「ヒトラーが政権をいったん取った後、議会を無視して権力、独裁政権をつくった」とも指摘したが、緊急事態条項は果たしてそんなに危険なものだろうか。
西修・駒沢大名誉教授(憲法)によると、1990年以降に制定された102カ国の憲法すべてに緊急事態条項が設けられている。
これらの国々はみんな独裁政権の圧政下にあえいでいるとでもいうのか。
第一、ナチス台頭への深刻な反省から出発したドイツ憲法でも、緊急事態条項は定められている。
岡田氏は無理やりなこじつけで、安倍晋三政権への不安や恐怖をあおろうとしているとしか思えない。
この稿続く。