朝日新聞の「群馬群馬」体質——新聞史上でも最悪級の不祥事
本章は、NHK番組改変問題をめぐる朝日新聞の記事が、事実無根の政治的でっち上げであった過程を明らかにする。中川昭一・安倍晋三両氏への“圧力”疑惑が完全に崩壊した後も、朝日は社内調査を装った曖昧な弁明を続け、さらに取材メモ流出を「不祥事」とすり替えた。月刊現代との連携による“出来レース”体質は新聞界でも他に類を見ないものであり、報道倫理の崩壊を象徴している。
2016-01-08
以下は前章の続きである。
毛沢東を髣髴とさせる手口。
そして最後の不祥事として「NHK幹部らを取材した社内資料の流出問題」を挙げている。
『朝日新聞』のまやかしテクニックの粋ともいうべき書き方だ。
発端は2005年1月12日の紙面で、従軍慰安婦問題を裁く民衆法廷を扱ったNHKの特番について「中川昭一、安倍晋三がNHK幹部を放送前日に呼んで」圧力をかけ放送内容を変えさせた、とやった記事だ。
その後、中川氏は脅したという当日、日本にいなかったし、安倍氏も幹部を呼びつけてもいないし、さらに放送内容が変わったのも、あまりに偏向した内容にNHK内部でそれなりの是正が行われただけということが判明する。
『朝日新聞』の記事はきわめて悪質な政治的意図を持ったでっち上げだったわけだ。
窮地に立った『朝日新聞』は7月25日付紙面で社内調査の結果を載せた。
中身はでっち上げではないが、真実とも突き詰められなかった、という勝手な言い分。
それも当たり前かなと思うのは、調査をやったのが問題の記事が書かれた当時の編集局長と社会部長なのだ。
でっち上げと決まればクビになる連中だ。
しかし社説ではこのいい加減な記事には知らんぷりを決め込み、ただこの記事の取材の折に『朝日新聞』記者が録っていたテープが社外に流出し、それが8月1日発売の『月刊現代』に載った。
それを「不祥事」としている。
筆者は魚住昭。
「朝日新聞」よりも赤い共同通信の出身で、筑紫哲也の『週刊金曜日』や、今や『世界』に代わると評される『月刊現代』に主に執筆していた。
『朝日』と同じ穴に棲む人が入手した取材メモの内容は、見出しにもあるように「中川昭一や安倍晋三はこれでもシラを切るか」という『朝日』べったりのものだ。
競輪用語でいう「群馬群馬」。
両者が仕組んだ公然たる出来レースだ。
どの新聞社を見ても、ここまで悪質な不祥事はまず1件もない。
この稿続く。