欧州の荒廃を映すNHK特集の中で──TOSHIBAのロゴが象徴していたもの—2017-02-17 発信—
NHKの特集番組で紹介された、パリのテロで重傷を負った元フランス労働省高官。
移民地区の若者たちと対話し、テロ根絶の道を探ろうとする彼の姿は、現実にはほぼ絶望的な取り組みとして描かれる。
著者が愛するパリの近郊は、いまやスラム化し、治安悪化と南北格差の深刻化が進んでいる。
その歴史的背景には、ローマ南部で殺害されたパゾリーニの時代から続く社会の亀裂がある。
番組の中で、陰鬱な欧州の現実を映し出しながらも、主人公が使うノートPCのカバーには大きく“TOSHIBA”のロゴ──日本の技術と誠実さを象徴する名が刻まれていた。
欧州の荒廃の只中でなお、東芝の名が光っていたことに著者は深い意味を読み取る。
2017-02-17
昨夜NHKの特集番組を観ていた。
パリでテロに遭い重傷を負ったフランスの元労働省高官の話だった。
彼は負傷にもめげず、移民たちが住む界隈の若者たちの声を聴く、若者たちに話しかける事を行わなければならない。
それがテロを根絶する道だ。
だが、彼の作業は殆ど絶望的である。
私がパリをとても愛している人間であることはご存知のとおり。
だがパリを始めとしたフランスの大都会の近郊は今、薄汚れて極めて治安の悪い地域となっているのである。
つまりスラム街となっているのである。
私が初めてイタリア、パリに行った時にも気づいた事だが、都市にも南北格差があった。
つまり北部は豊かで南部は貧しいという構図である。
私がその才能をとても認めていたパゾリーニはローマ南部の郊外の新興地区で、彼の性癖ゆえに殺害された。
今は、その状態が甚だしくなっていること、これらの地区に住む若者たちは住所を記載した時点で就職は不合格。
この今の欧州の陰惨な実態を伝える報道特集の中ですら、東芝は登場していた。
主人公の彼が自分の道具として使用しているパソコンのカバーにはTOSHIBAのロゴが大書されていたのである。