直接民主主義という危険な幻想 ― 韓国近代国家再生への七ヵ条

古田博司教授が示した「韓国近代国家再生への七ヵ条」と直接民主主義批判を通じ、群衆政治が独裁と親和性を持つ危険性、および韓国社会が直視すべき構造的問題を論じる。

民衆が直接広場に出るような直接民主主義は、ギリシアの古代思想であり、止めたほうが良いが
2017-02-14
以下は古田博司筑波大学人文社会科学研究科教授が月刊誌正論3月号に掲載している論文からである。
彼の専門は政治思想・東洋政治思想史・北朝鮮政治・韓国社会論・朝鮮中世史・思想教化研究である。
前文略。
韓国近代国家再生への提言。
前回韓国の現況がどんなに壊滅的かを述べたので、韓国が近代国家として再生するためのベターな要領を親切心から提言しておくことにしたい。
分かりやすく、実践しやすいように、七ヵ条にまとめておいた。
韓国近代国家の再生要領七ヵ条。
一、地政学上の「行き止まりの廊下」という、致命的な朝鮮半島の地形に立国していることを自覚する。
二、「行き止まりの廊下」から、米韓軍事同盟と日韓基本条約によって支えられ、三十八度線で島化できたことを感謝する。
三、宗族を完全に溶解し、東洋的専制主義の根を断つ。
四、御利益信仰を払拭し、既存のキリスト教信仰を深め、隣人を信用することを学ぶ。
五、分業と協業の近代化要領を隣人からもう一度学び直し、「恥」という「自制の予感」を体得する。
六、李朝時代は善、日本時代は悪という「虚構」を廃し、近代化の成就の日まで、李朝時代を諸悪の根源とする「擬制」で、敢えて歴史教育を行う。
七、自分が助かろうとするがための司法制度の設計と、隣人をみせしめとする制度運用を改め、自己愛を抑圧する法治を実践する。
もう一つは忠告。
民衆が直接広場に出るような直接民主主義は、ギリシアの古代思想であり、止めたほうが良いが、今の韓国で有用性があれば、仕方がないだろう。
走らせる馬が、カビの生えた人参が好きならば、与えよということである。
そのカビの毒については、カール・シュミット『現代議会政治の精神史的地位』を見よ。
直接民主主義は独裁政治と親和性が高いのである。

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