龍安寺|至上の兆しを捉えた日 — 満開の一週間前、若き美の記録 —

11月30日の一週間前、
11月23日の龍安寺もまた、
疑いようもなく史上最高の一日だった。

紅葉は、まだ満開ではなかった。
だが、門をくぐった瞬間、
私の心を完全に奪ったのは、
紅葉ではなく、満開の柿の木だった。

二十年を超えて龍安寺を見続けてきたが、
これほど見事な柿の実り方を目にしたことはない。
枝という枝に実が宿り、
それ自体が一つの完成された風景となっていた。

11月30日の紅葉が、
いわば極点としての完成形だとすれば、
11月23日は、
美が立ち上がったばかりの瞬間だった。

紅葉は見ごろに入り始めたばかりで、
若葉のような瑞々しさを保ち、
空気には、まだ余白があった。

本映像には、
J.S.バッハ
《管弦楽組曲 第1番 ハ長調 BWV1066 より 序曲》
および
《無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013 より アルマンド》
を使用しています。

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