日本の名誉をかけた闘いから逃げ続けてきた外務省の罪

日韓合意は短期的な外交成果にすぎず、長期的には日本により重い歴史問題の負担を残した。にもかかわらず、外務省は国益と名誉を守る闘いから逃げ続けてきた。慰安婦問題を巡る国際的な虚偽と戦わず、首相を孤立させてきた日本外交の致命的欠陥を告発する。

2016-02-01
以下は前章の続きである。

昨年暮れの日韓合意は、確かに両国関係を改善し、日米韓の協力を容易にした。

しかし、それは短期的外交勝利にすぎない。

「保守派の安倍晋三首相さえも、強制連行や性奴隷を認めた」と逆に解釈され、歴史問題に関する国際社会の日本批判の厳しさは、何一つ変わっていない。

長期的に見れば、安倍首相発言で、日本は以前よりさらに重い課題を背負い込んだのである。

だからこそ今、楽観を排して、以前よりずっと賢い、永続的な情報発信を行うという、重い責務を負っている。

首相が国会という最も公の場で、日本のこころを大切にする党の中山恭子氏の質問に答え、
「性奴隷あるいは20万人といった事実はない」
「政府として、それは事実ではないと、しっかり示していきたい」
と明言したのは、その点を踏まえてのことだと、私は推察した。

「軍の関与の下」との発言は、慰安所の設置、管理および慰安婦の移送に、間接直接に関与したという意味であり、強制連行ではないとの説明についても同様である。

国会という最も公の場における首相の重要発言に、外務省は、なぜ、もっと真剣に向き合わないのか。

国益を守る信念を首相の言葉から読み取り、国益を守る闘いに、どこまでもコミットする気概を、なぜ外務省は、もっと明確に示さないのか。

まさか、首相ひとりを前面に立たせ、孤独な戦いを続けさせるつもりではあるまい。

萩生田光一官房副長官は、日韓が互いを非難しないことと、客観的事実の説明は、全く別次元だと明言した。
しかし外務省が、その意味を理解しない間に、韓国でも世界でも、日本をおとしめる計画は、さらに進んでいく。

合意の日、岸田文雄外相は、韓国側が国連教育科学文化機関、ユネスコに、慰安婦問題を世界記憶遺産として申請することはないとの認識を語った。
だが、韓国側は、翌日、これを真っ向から否定した。

現在、中国は、韓国、インドネシア、台湾などに呼びかけ、2年後の共同申請に向けて準備を進めている。

慰安婦像も、撤去されるどころか、韓国内外で増え続けている。

今、全力で闘わなければ、日本に対して植え付けられた、
「本性は、けだもののように残虐」
という曲解を解くことなど、到底、できない。

だが、交渉しても、闘わないのが、外務省の習性である。

マイク・ホンダ氏、朝日新聞、クマラスワミ報告。
いずれに対しても、外務省は、実質的な反論をしなかった。

日本の名誉をかけた闘いから、逃げ続けてきたのである。

外務省は、自らの使命は外交交渉にあり、歴史情報の発信や、祖国の名誉擁護は、任ではないと考えているのか。

であれば、歴史情報の発信は、他の組織に任せるしかないではないか。

歴史の事実を武器に、知的に、果敢に闘う、新体制づくりこそが、首相の責任なのである。

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