伊達に「文明のターンテーブル」を書いているのではない ― 日本長期デフレの真因と黙殺された警告
アベノミクスを巡る浜田宏一氏との対談記事を起点に、日本の20年以上に及ぶ長期デフレの真因を検証する。朝日新聞主導の総量規制と誤った思想、そして警告が封じられた現実。著者が実体験として語る「伝えられなかった真実」と、その覚悟の根拠。
2016-02-02
以下は、1月31日の産経新聞7ページからである。
題字以外の黒字強調と、*~*は、私。
浜田宏一参与かく語る。
編集委員、田村秀男。
日本経済は、内憂外患。
安倍晋三首相の指南役、米エール大名誉教授の浜田宏一内閣官房参与と対談し、アベノミクスの今後について議論した。
-根強いデフレ圧力と、底の見えない中国危機を踏まえると、来年4月に予定される消費税再増税の中止を、首相が決断すべきだと思います。
「安倍首相が、そう政治決断されるなら、それは、うまくいくでしょう。
消費が陰っているのは、今の消費税が高いからという理由だけでなく、将来またあるのかと、消費者が、うんざりしているという意味で、田村記者のような考え方は成り立つ。
ただ、後で財源を使えるという前提ですが、消費者が、今、苦い薬を飲むのはやむを得ないと考えているうちに、もう1回、という増税推進派の言い分にも、一理あると思います。」
「日本は、法人税率が高すぎるし、これから下げていかないと、外国からの対日投資が増えていかない。
日本から、投資が外に出ていってしまう。
その点、消費税のような間接税に、頼らなくちゃならない。
来年の再増税に関しては、やめることができるなら、それが一番よいが、医者のように、間際まで、患者の容体を見てから、決めたいところです。」
-ポール・クルーグマン米プリンストン大名誉教授は、浜田参与との対談本『2020年 世界経済の勝者と敗者』の中で、安倍政権に対し、消費税再増税の中止ばかりでなく、緊縮財政の撤回と、財政出動を、強く勧告しています。
*日本の20年超に渡った長期デフレを作ったのは、朝日新聞社であることは、言及してきたとおりだが、
当初から、ポール・クルーグマンや、ジョン・スティグリッツと、同様の事を、言い続けて来たのは、私と、ピーター・タスカの二人だけだったと言っても、全く過言ではない。
日本と世界にとって、不幸だったのは、私は、全くの無名人だったことと、ピーター・タスカも、日本の論壇では、全く発言権がなかったことだ。
彼が発言していた場所は、日本では、今でも、たった10万部の発行部数しか持っていない、ニューズウィーク誌の日本語版だった。
おまけに、日本の長期デフレを作った、すべての原因である、1990年3月、当時の日本の大蔵省から、金融機関に対して行われた行政指導である、総量規制。
これを行わせたのも、朝日新聞社であることは、言うまでもない。
これが施行され、正に、直接的な影響を被ったことも在った私は、即座に、この規制が、日本国の経済にもたらす、致命的な影響と、
その根本的な考え方の間違い、
資本主義国家であることから外れた、まるで、共産主義国家の発想だったことに、気が付いた。
当時、定期的に、私の話を聴くために、私の社長室を訪れていた、日経新聞大阪本社の広告局長に、全国版を、全段、ぶち抜くように、お願いした。
費用は、約3,500万円だという。
当時の、弊社には、全く問題がなかったから、即座に、OKした。
原稿は、極めて、簡潔なものだった。
9.11以降に、ヨーコ・オノが、NYTを、全段、ぶち抜いて行った、Imagineの広告を、連想してもらえば良い。
もちろん、当方のものは、もう少し、文章が書かれているが。
だが、私の、この、日本を救うための、決死の広告は、
月が、ずらされ続けた挙句、
大企業の決算公告で、枠が一杯だ、などという返答だった。
私は、即座に、彼らは、そういう広告を、掲載できないのだなと、理解して、
二度と、彼には、わが社の敷居を、跨がせなかった。
私の意見は、日本中に、響くどころか、伝える事すら、できなかった。
私は、それが、日本が陥った、長期デフレの、真因の一つでもあると、確信している。
伊達に、「文明のターンテーブル」を、書いているのではないのである。*
冒頭の記事の続きは、次章にて、紹介する。