読者はすでに新聞を見限っていた――「笛吹けど踊らず」の真相
門田隆将氏の論考は、甘利明氏辞任報道をめぐる新聞各紙の姿勢が、いかに読者の信頼を失っていたかを浮き彫りにする。週刊誌に追随し、政権打倒を意図した記事を書き続けた結果、世論は動かず、読者は新聞をすでに「見限って」いたのである。
2016-02-07
以下は、今日の産経新聞七ページに掲載されていた、ノンフィクション作家門田隆将の論文からである。
新聞の力がいかに衰えているかを示す事例が、ここ最近あとを絶たない。
新聞がいくら懸命に書きたてても、世の中は動かない。
まさに笛吹けど踊らず、である。
週刊誌が火をつけ、新聞やテレビが後追いするパターンも定着しつつある。
最初に報じたのは週刊文春だった。
だが、告発者と一体化したような取材手法が、果たして許されるのか疑問が残る。
週刊文春について、私が直感的に書いてきたことは正しかったと、読者は思うはずだ。
その後、朝日や毎日など、安倍政権打倒に熱心なメディアが一斉に飛びついた。
だが、世論調査の結果は彼らの期待とは逆だった。
内閣支持率は下がるどころか上昇していた。
つまり、読者はとっくに、そんな意図的な記事を書き続ける新聞を見限っていたのである。
新聞は、いつからここまで見識を失ったのだろうか。