今回の市場急変は中国政府の仕掛けだったのか
2016年2月の世界的市場急変と急激な円高について、中国政府が意図的に仕組んだ可能性を検証する論考。外貨準備の急減、資本流出、訪日中国人観光客の「爆買い」抑制という複合的要因を、現場での具体的な目撃体験とともに描き出す。
2016-02-12
昨夜、前述の友人から、もう一度電話があった。
「今回の市場の急変を仕組んだのは中国の政府ではないかとのあなたの仮説は全く正しかったのではないか。
彼等が、中国人訪日客の爆買いを阻止しようとしていたことを伝えた週刊誌報道は正しかったはずだ。
だが彼らが爆買いする理由は、中国のネットで流通している商品の約50%は偽物であるという事情にあるのだから、彼等が笛を吹いても、国民は踊ってはくれない。
そこで、急激な国外への資本流失で大幅に減少した外貨準備を一気に回復するためにも、今回の資本主義社会の市場の急激な下落=動揺を仕組んだ。
たった10日で10円も円高になれば、春節で、どっと訪日中の中国人観光客の財布にも、ブレーキがかかるだろう。
全く、見事な仕掛けではないか。」
「確かに、今日、円山公園で野鳥撮影をしていた時の事なんだが、目の前に、中国人と思しき一行がいたんだ。
全く沈んだ雰囲気だったから、目に焼き付いている。
あれは滞在中に起きた、市場の下落と円高で、不安感に襲われていたからだったかもしれないな。
おまけに、撮影を終えて裏道を通って帰る途中では、足をくじいたのかと思ったのだが、夫の肩に顔を埋めて、それはとても悲しそうな雰囲気で泣いている妻がいた。
それを息子がそばで、何とも言えない沈んだ雰囲気で見ていたんだよ。
足をくじいたぐらいで、あれほどの愁嘆場になるかな、と怪訝に思いながら通り過ぎたのだが。
景気や市場の先行きを悲観して、絶望的になっていたと考えたら納得できる光景だったが。
有無。ひょっとして、あれは台湾からの旅行者で、今回のマンション崩壊で、親族が死んだ人たちだったかも。
それぐらいの愁嘆場だったから、私たちは、足早に通り過ぎたんだよ」
そんな会話を交わしたのである。