「日本の首相は毎年変わるから会っても仕方がない」— 世界に軽視された民主党政権の記憶 —

韓国の混乱を嘲笑できない日本の「黒歴史」として、民主党政権下で外交がいかに軽視され、領土問題や同盟関係が後退したかを検証する。阿比留瑠比記者の論考を通じ、メルケル首相の発言に象徴される国際的評価の低下と、その教訓を明らかにする。

今日の産経新聞のページをめくっていたら、韓国を笑えぬ日本「黒歴史」、という大きな見出しが目に入ってきた。阿比留瑠比にしては…黒社会とは何事か、それはないだろうと読んでみれば、なるほどと納得させられる幾つかの事実を伝えていた。

ジャーナリストであることを選択した人間は、実業を選択した人間達には分からない事実や出来事を伝えるのが仕事である。似非モラリズムや似非共産主義の歪んだ思想を語ったり、政府や国民を説教するなどは、言語同断なのである。

見出し以外の文中強調は私。

朴氏罷免で機能不全でも4年前は…

韓国を笑えぬ日本「黒歴史」

朴槿恵大統領が罷免され失職したことで、韓国社会は混乱の極みに達し、司令塔を失った外交も機能不全状態にある。

米国による北朝鮮への先制攻撃の可能性が現実味を帯び、朝鮮半島の緊張がこれまで以上に高まっているときに、国内の政争や鬱憤晴らしで盛り上がっている韓国の姿は滑稽だが、日本もよその国のことを言えた義理ではない。 

「悪夢」の民主政権 

わずか4年ちょっと前までは民主党(現民進党)政権だったことを思い返したい。

当時、日本外交がいかに世界で軽視され、笑いものとされていたかをー。  

「日本は米国の同盟国だというが、本当にそうか」 

野田佳彦政権時代の平成24年2月、外務省高官は米紙ワシントン・ポストの著名コラムニスト、アル・カーメン氏にこんな屈辱的な疑問をぶつけられた。

カーメン氏は、鳩山由紀夫元首相に「ルーピー(愚か者)」というあだ名を付けた人物である。 鳩山氏は首相当時、意味不明の東アジア共同体構想を唱え、インド洋での海上自衛隊による補給活動を完全にやめてテロとの戰いから離脱してしまった。 

また、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題でオバマ米大統領(当時)に「トラスト・ミー(私を信頼してくれ)」と大見えを切った揚げ旬に迷走して問題をこじらせた。 

このころ、民主党の小沢一郎幹事長は日米関係と日中関係を同列に扱う「日米中正三角形論」を唱え、天皇陛下と習近平中国国家副主席(当時)の会見を強引にセットし、600人規模の大訪問団を率いて訪中して米国をあきれさせた。 

後退した領土外交  

「基地問題はもうどうにもならない。タッチしたくない。もう沖縄は独立したほうがいい」 

次の首相の菅直人氏は副総理時代にこんな無責任な発言(喜納昌吉元参院議員著『沖縄の自己決定権』)をしていた人物である。 

尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりした事件では、中国側の強硬姿勢に白旗を上げた。

勾留期限を待たずに中国人船長を超法規的に釈放した上で、責任を那覇地検に全てなすりつけた。 

「民主党政権の3年間で、日本の領土外交は本当に後退してしまった」  

「米国は以前とは違い、日本を韓国と同程度の国として扱うようになった」 

民主党政権当時、別の脈務省高官からはこんな愚痴を聞いた。

ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問も、韓国の李明博大統領の竹島(島根県隠岐の畆町)上陸も、菅政権から野田政権にかけて起きた。 

27年3月に、ドイツのメルケル首相が来日した際、安倍晉三首相が「あなたは中国には何度も行っているのに、日本にずっと来なかったのはどうしてか」と問うと、メルケル氏はこうあっさりと答えた。

「日本の首相は毎年代わるから、会っても仕方がないと思っていた」 

日本も油断すると、また世界に相手にされない存存感のない国に戻りかねないのである。 

(論説委員兼政治部編集委員)

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