日本国憲法前文という空想――人間を知らぬ文章が生んだ幻想
日本国憲法前文に謳われた「平和を愛する諸国民への信頼」は、人間の本質を見誤った幻想に過ぎない。人間は豊かになれば必ず争う存在であり、その現実を、現在の中国の姿が冷酷なまでに証明している。
2016-02-20
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
これが日本国憲法の前文であることは言うまでもない。
だが、前章で触れた週刊朝日2・26号の「街道をゆく」の記事は、これが全くの眉唾ものであることを、あっけらかんと証明している。
しかし、一方、人間は豊かになると必ず争いを起こす「動物」でもある。
今の中国の態様を見れば、誰もが、これこそ人間の真実であると認識するはずである。
つまり、日本国憲法とは、人間に対する認識があまりにも浅い、幼稚園児か小学生の作文に等しいものであることを、中国の姿が証明しているのである。
なぜ、そのような憲法が作成されたのかについては、これまで何度も言及してきたとおりなので、ここでは省略する。