今の分科会のメンバーは左翼ばかり。そもそも感染症の専門家は、医学会では日の目を見ない二線級扱いで、コロナ禍でようやく光が当たって大興奮している。だから、専門家たちは毎週末のようにオンラインで集まっては議論で盛り上がり、『このままでは感染は拡大する!』『総理には危機感が足りない!』『政府には思い知らせなければいけない!』などと気勢を上げているんです。

以下は、本日発売された月刊誌WiLLに、氷川政話、と題する連載コラムで、いつも良い仕事をしているジャーナリストの氷川貴之が、八割おじさん西浦博教授が放った「政府転覆計画」と題して掲載している論文からの抜粋である。
今回のコロナ禍で、京大教授の肩書で、NHKもテレビ東京も、感染者数の予測と称して、頻繁に登場させる西浦博について、何とはなしに、うさん臭さを感じていた人も多いはずである。
氷川さんが、この労作で明らかにしてくれている彼の実態を知った購読者の人達は、皆、テレビ局の報道って、一体、何なんだ、と怒りすら覚えたはずである。
前文省略。
「政府には秋の総選挙で感染拡大の責任をとってもらわなければ」
政府への恨み節 
7月25日の夕方、インターネット上で極秘の会議が開かれていた。
参加していたのは、テレビで顔を見ない日はない政府分科会会長の尾身茂や国立感染症研究所所長の脇田隆字、川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦ら。
これはオンラインで開かれた「『コロナ専門家有志の会』とマスコミとの意見交換会」だった。
政府分科会のほとんどのメンバーが参加する「有志の会」は、定期的に新聞記者らマスコミ関係者と意見交換会を開いている。
この会は“完全オフレコ”で、参加条件として「内容の秘匿を遵守すること」という厳しい注意まで付されていた。 
この会において、ある専門家から驚きの発言が飛び出した。参加した大手新聞社の記者が明かす。 
「終盤になって発言したのは京都大学の西浦愽教授でした。彼は、『政府は私たちの口を封じてオリンピックを開催した。デルタ株が広がったのも政府の責任だ。政府には、秋の選挙で責任をとってもらわなければいけない』と捲し立てたのです。いくらオフレコでの発言とはいえ、こういう思想の専門家が政策決定に関与しているのかと思うと、ぞっとしましたね」 
西浦といえば、人の接触を八割減らせと訴えた「八割おじさん」として知られ、厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」のメンバーだ。
その西浦がマスコミとの意見交換会で、五輪開催に踏み切った政府への恨み節を炸裂させ、秋までにある衆院選で与党が負けるのを楽しみにしていると語ったのだ。
具体策は出ないまま 
官邸関係者が、こうした専門家のあり方を嘆く。
「今の分科会のメンバーは左翼ばかり。そもそも感染症の専門家は、医学会では日の目を見ない二線級扱いで、コロナ禍でようやく光が当たって大興奮している。だから、専門家たちは毎週末のようにオンラインで集まっては議論で盛り上がり、『このままでは感染は拡大する!』『総理には危機感が足りない!』『政府には思い知らせなければいけない!』などと気勢を上げているんです。でも、彼らから肝心の具体策が出てきたことはない」 
西浦は「八月末には東京の新規感染者数は一日一万人を超える」などと誇らし気に予測を発表するが、予想屋は馬券売り場だけで十分だ。
危機感を煽るだけなら誰にでもできる。国民が知りたいのは、具体的にどうすれば感染拡大を防げるかということだが、そうした策はまったく出てこない。 
五輪中止を実現できなかったリベンジとばかりに、西浦は週刊誌に対し、「このまま感染拡大が続けば医療は崩壊し、パラリンピックの中止を提言せざるを得ない」と語った。
これにはネット上で、「一年半も経っているのに、感染経路もわからないし、どこを防げばいいのかもわからない。『医療が崩壊します』『自粛してください』と言うのは専門家の仕事ではない。ちゃんと仕事をしてくれ」などと批判が相次いだ。 
分科会の尾身会長も同様だ。
尾身は首都圏への緊急事態宣言拡大を決定した7月30日、官邸で菅総理に対し、「政府として国民に寄り添ったメッセージを発信してもらいたい」と直談判した。
しかし、この発言にどれほど意味があるのだろうか。
菅総理はこれまでも会見のたびに国民へのメッセージを発しているし、小池百合子都知事も執拗なほどのパフォーマンスで国民への呼びかけを繰り返している。
メッセージだけで感染が収束するのなら、世界中がこんな苦労はしていない。 
菅総理も珍しく周辺に愚痴をこぼした。
「専門家には、もっと科学的な見地から対策を考えてほしいけど、『ワンボイスでメッセージを出してくれ』とか『国民と危機感を共有してくれ』としか言わないんだよ」
「普通に考えれば」 
8月12日、尾身は記者会見を開き、都内の人流を半減させるよう訴えた、これも、あまりにも漠然とした提言である。
外出のどこの時点で、どういう行為にリスクがあるのか、科学的な分析すらない。
デパ地下を槍玉に挙げて人流を減らせば、果たしてコロナは収束するというのか。 
東京五輪が感染拡大に与えた影響を問われた尾身はこう答えた。 
「オリンピック開催が、人々の意識に与えた影響というのは、私たちはあったと思います。いろんな人と話したり、インタビューしたり、そういうことでサイエンスとして論文を書くようなことにはなってませんけど、普通に考えればあっただろうというのが、普通の我々の判断ですね」 
「五輪で人々の気持ちが緩んで感染拡大に影響した」という主張の根拠が、「サイエンス」ではなく「普通に考えた普通の判断」だというのだ。
科学的根拠ゼロの主張を恥ずかしげもなく披露するのが、日本の感染症対策のトップなのである。
結局、五輪開催を強行した政府にいちゃもんをつけたいだけとしか思えない。 
尾身について、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広が民放番組で興昧深い指摘をしていた。 
「アメリカ感染症対策のトップであるファウチ氏はこれまで千本の論えを書いているが、実は尾身会長は一本しか書いていない。つまり、尾身会長は科学者ではない。こうした科学者でもない専門家が日本のコロナ対策を指揮していることが、そもそもの問題だ」 
この説明を聞いて、なぜ尾身から一向に科学的根拠に基づいた対策が聞かれないのか、合点がいった。
彼らが一年半もの間やってきたことは、国民の危機感を煽ることだけ。そして、責任はすべて政府に押しつける。
無責任な専門家たちの発言の背景にどんな政治的思惑があるのか、注意を払う必要があるだろう。
後略。

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