国連で繰り返された中国の常套句――「歴史修正主義者」という攻撃

国連女子差別撤廃委員会で、中国出身委員が日本政府に対し「歴史修正主義者」というレッテル貼りを試みた。事実に基づく反論と、それに対する中国側の露骨な政治的態度を検証する。

2016-02-21

口火を切ったのはオーストリア出身の女性委員、リリアン・ホフマイスターだった。
彼女は、慰安婦問題を委員会が扱うのは人権侵害が続いているからだと述べ、被害者が納得する結果でなければならないと杉山を牽制した。
杉山が強制連行を示す証拠はなかったとの見解を示すと、中国出身の女性委員、鄒暁巧が反応した。
鄒は、政府代表の発言は残念で受け入れられないと述べ、七十年前の出来事であっても歴史的事実を変えたり否定したりすることはできないと断じた。
さらに、日本政府が慰安婦問題を否定していると決めつけ、日本政府に戦時中に何が起こったのかを認識せよと締めくくった。
これは、“歴史修正主義者”というレッテルを貼ろうとする中国の常套手段である。
杉山は直ちに反論した。
日本政府として受け入れられないだけでなく、事実に反する発言があったと述べた。
杉山の発言中、鄒は首を振り、机上のパソコンを閉じた。
休憩中、鄒は安倍政権発足以降、このような事態は想定していたと語り、国連の場で強い言葉が使われるようになった理由だと述べた。
対日審査を踏まえた委員会の最終見解は三月七日に発表される。
日本政府に厳しい内容となる可能性は高い。
それでも、日本政府が慰安婦問題の事実関係を包括的に説明した意義は大きい。
杉山は、誤解されている点については、さらに発信し理解させる努力が必要だと語った。

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