幼稚な似非モラリズムが露呈した一夜— ゴルフすら理解できないメディア的思考 —
2017年3月26日。何気ない飲食会合での会話を通じ、メディア業界に浸透した「何でも差別」と決めつける幼稚な似非モラリズムの危うさを描く。規律・努力・技術という概念を欠いた思考の本質を鋭く批判する随想。
2017-03-26
友人に誘われて飲食の会合に出てみた。
全く普通の人たち20人ほどの会合。
IT関係の会社で仕事をしている20代の男性と様々な職業で仕事をしているOLさんたちの集まりらしかった。
隣に座った若者がゴルフを始めたという。
そこにアナウンサーの仕事をしているという女性が現れた。
若い男性がどれぐらいで回るのかと聞いたら、女性は110台で回ると答えた。
男性はへえーと感嘆の声を上げたのである。
私は思わず笑ってしまった。
女性が、どうして笑うのですか、と聞くから、
「だって、ゴルフ場に出るのは100を切れるようになってからにしなさい、と言うのはゴルファーが語り継いできた規則のようなものなんですよ。
ゴルフは以前に比べたら斜陽産業になっているから、今は、ゴルフ場も誰でもプレーさせているのだろうが…。
彼が110台で回ると言うあなたに感嘆の声を上げたもんだから可笑しかったわけです…」
と答えた。
ところが、その女性は、私に対して、私の考え方は古い、と攻撃しだした。
挙句には霞が関ゴルフクラブの例を持ち出して、女性差別云々などとまで言い出したのである。
あきれ果てただけではなく、当然ながら怒りを覚えた。
霞が関ゴルフクラブは女性を差別なんかしていない。
一私企業であるゴルフ場の一つが、多分、日本で唯一、会員は男性限定にして運営していたからといって、女性差別だなどと言うのはとんでもない話である。
例えば、イギリスに行ったら、女性出入り禁止の男性専用のパブなどは、いくらでもある。
それでも霞が関ゴルフクラブの会員たちは皆、まともな人間達だから、あそこまで言われたら、別に抗弁もせずに規約の改正を行う事にしたのです…。
それに私がゴルフフリークで毎週ゴルフ場に行っていた頃、ゴルフ場にはたくさんの女性がいた。
女性差別だなどは、とんでもない話である。
それどころかゴルフ場ですら日本は女性天国なのだ。
何の義理も無い会合だったから、さっさと引き上げた。
メディアの世界に住んで居る人間たちの筆舌に尽くしがたい愚かさを身に染みて知ったわけである。
自分たちの言い分がフェアで、そうでない事は、全て差別だなどと考えている酷さ。
彼らは、もしゴルフをするなら、全員が100を切れるようになってから、ゴルフをしてみた方が良い。
そうすれば、技術の向上にはたゆまぬ努力が必要な事や、物事には全て規律がある事、そうして社会が成り立っている事に初めて気づくのではないか。
自分たちの幼稚園児の様な似非モラリズムを振り回しているだけでは、ゴルフの玉一つすら、正確には打てない事を初めて知るはずだから。