タイトル「テロ等準備罪」は国際常識である— 朝日新聞が決して伝えない現実 —
国連加盟国の96%が締結する国際組織犯罪防止条約と「テロ等準備罪」をめぐり、日本の主要メディアが事実を歪曲し続けてきた構図を、櫻井よしこ氏の論考を通じて明らかにする。
国際常識から最も乖離しているのは、日本の法律ではなく、日本のメディアである。
2017-04-09
国連加盟国の96%、187か国が締結しており、未締結国は日本を含めて11か国のみである。
朝日新聞などを筆頭にした新聞を購読し、テレビ局の報道番組を視聴している日本国民に、彼らが、本当の実態を伝えず、反対の声ばかりを上げているのは、
彼らが正に共謀罪に値する事を、3年前の8月までは完璧に、そして今もなお行い続けているからだと、私は言及して来た。
私の推論が完璧に正しかった事を、櫻井よしこさんが、今週号の週刊新潮において、以下の労作で明らかにしてくれている。
見出し以外の文中強調と*~*は私。
「テロ等準備罪」は国際常識、成立を急げ。
「テロ等準備罪」について「朝日新聞」や「東京新聞」などが相変わらず全面否定の論陣を張っている。
テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法の改正案は、日本が「国際組織犯罪防止条約」を批准するために必要な国内法である。
日本周辺の国際情勢の厳しさを見れば、なぜいま同条約を批准しなければならないのかが分かるはずだ。
北朝鮮の脅威、不安定さの中で左傾化する韓国情勢などが懸念されるが、2020年の東京五輪に向けて、日本を狙ったテロや犯罪が国内外で発生する危険は高まり続けるだろう。
テロや犯罪防止に最も必要なのは、なんといっても情報である。
情報は国際社会との協力の中でこそ、スムーズに交換される。
その枠組みが国際組織犯罪防止条約である。
国連加盟国の96%、187か国が締結しており、未締結国は日本を含めて11か国のみである。
政府は同法案を3月21日に閣議決定し、6月中にも成立させたい方針だが、国会は森友学園問題などに日程を取られ、議論が進んでいない。
「朝日」をはじめとするメディアは法案の趣旨を歪曲して報道し続ける。
同紙は3月22日、1面トップで「『共謀罪』全面対決へ」との見出しを掲げた。
政府提案の「テロ等準備罪」という名称さえ、「必要に応じて使用」はするが、「犯罪を計画段階で処罰する『共謀罪』の趣旨が盛り込まれて」いるため、「共謀罪」と呼び続けると宣言した。
もし、今回の法案に個々の人間の内心の自由を抑圧する内容が本当に盛り込まれているのであれば、私とて許容できない。
だが、法案をきちんと読めば、その懸念は払拭されている。
今の政府案は以前と全く変わっていないとの朝日の主張は、明確な間違いだ。
私の発言は主として二点に絞り込める。
①共謀罪は必要である。
②但し、個々人の心の中にまで入り込んで規制し、言論の自由や思想信条の自由を阻害する余地のないように、目に見える歯止め、外形的要件を定めるべきである。
そのために与党は民主党(現民進党)の修正案を受け入れるのがよい。
十一年前、民主党は立派な修正案を出しており、朝日も民主党と同じような主張をしていた。
改めて当時の私の発言を議事録で読み返すと、私は逮捕や強制捜査が無闇に行われ、内心の自由が脅かされる危険性を強く懸念していた。
その気持ちは今でも全く同じである。
興味深いことに、私も朝日も、さらに民主党も、捜査権や逮捕権の暴走に歯止めをかけよと、同じように主張していたことになる。
だが、共謀罪が日本にとって必要か否かという点において、決定的な違いがあった。
私は必要だと、当時も今も考えている。
実際、十一年前の発言録では、共謀罪は必要だということを、私は計六回も繰り返している。
今回の政府案は、合意に加えて実行準備行為を処罰要件とした点で、明確な歯止めが施された。
処罰対象の犯罪数も六百十五から二百七十七に絞り込まれた。
労働組合などが捜査対象にならないことも、以前より明確になっている。
この稿続く。