日本でヘッジをかけてボロ儲けした資金を、新興国市場に投下してさらに儲けるという構図
急激な円高と東証株価暴落の背後にある投機的資金の動きを検証し、日本市場をヘッジとして利用し続けてきた国際資本と、それを一切検証しなかった日本メディアの責任を鋭く問う論考。
2016-02-29
先日の朝日新聞下段の週刊誌の広告の中に、GPIF15兆円大損失との見出しがあった。
慧眼の持ち主たちは、これだけで、年初からの急激な円高と株価の大暴落をもたらした者たちについての私の推測が正しかったと思うはずだ。
私が、これは尋常ではない。東証は、誰が、これだけの円高に持ち込み、同時に日経先物に空売りをかけ続けたのかを明らかにしなければならない、と言及したことは、読者はご存知の通りである。
だが日本のメディアは、誰が、東証を、つまりは日本を狙い撃ちしたのかを問おうとしなかった。
誰が、新興国、とりわけ中国市場の下落に備えて、クライマックスとして、10日で11円という急激な円高に持ち込み、東証の株価大暴落を引き起こし、ぼろ儲けをしたのか。
つまりは、過去20年超、世界で最も安定した統治機構を持った日本を円高・株安に持ち込んで、ぼろ儲けを得続けてきたのである。
日本でヘッジをかけて、ぼろ儲けした資金を、極めて不安定でハイリスク・ハイリターンな新興国市場に投下して、さらに儲けるという作業を、彼等は20年超続けてきた。
そして今回は、それをわずか1か月でやってのけたのである。
そのことを検証しようとする者は一人もいなかった。
一社もなかったのである。
唯一、「暴力的な下落」と評した新聞があったにすぎない。
それどころか、今日の日経新聞のフロントページには、アベノミクス「評価しない」50%という世論調査の結果が掲載されている。
朝日等は、子会社のテレビ局の報道番組などで、ここぞとばかりに、日銀の政策批判、安倍政権の経済政策に対する批判を、連日繰り返したことは既述のとおりである。
この稿続く。